名称
- 和名:照海(しょうかい)
- 経穴:足の少陰腎経(KI6)
- 英名:Zhaohai (KI6)
取穴(位置・取り方)
- 内果尖の下方、踵骨上縁の陥凹部に取る。
- 覚え方:内くるぶしの真下、アキレス腱の前縁にある小さなくぼみ。
解剖(近接構造)
- 表層には皮膚と皮下組織。
- 深層には後脛骨筋腱、母趾屈筋腱が走行。
- 近くを走る神経:内果下方での伏在神経の枝。
- 血管:内果後方を走る後脛骨動脈・静脈に注意。
東洋医学的機能(要点)
- 腎陰を補う:陰虚に伴う不眠・咽喉乾燥などに。
- 咽喉を利す:咽頭炎・口渇など。
- 安神作用:不眠・精神不安。
- 八脈交会穴:陰蹻脈の通路として、内関(PC6/陰維脈)と対で用いる。
臨床応用(例)
- 不眠:神門(HT7)、内関(PC6)、百会(GV20)と併用。
- 咽喉痛・乾燥:列缺(LU7)と対で用い、陰蹻脈・任脈を調整。
- 婦人科疾患:月経不調や更年期症状に、三陰交(SP6)や太谿(KI3)と併用。
- 下肢症状:足の冷えや内果周囲の緊張にも。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- やや斜め上方または直刺。
- 深さ:約0.3–0.5寸(約5–10mm)。
- 操作:軽い捻鍼で響きを確認。安神目的では穏やかな刺激、不眠・咽喉症状では得気をやや重視。
- 保持時間:10–20分程度。
禁忌・注意
- 深刺により血管損傷の恐れがあるため、後脛骨動脈への誤刺に注意。
- 妊娠中は過度な刺激を避ける。
- 刺鍼時にしびれや強い放散痛が出たら直ちに抜鍼する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 不眠・精神症状:照海(KI6)+神門(HT7)+内関(PC6)+百会(GV20)で安神効果を高める。
- 咽喉疾患:列缺(LU7)とペアで用い、陰蹻脈・任脈を同時に調整。
- 婦人科疾患:三陰交(SP6)・太谿(KI3)と組み合わせて腎陰を補い、ホルモンバランス調整を狙う。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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