懸顱まとめ：効能・取穴・関連症状

名称

• 和名：懸顱（けんろ）
• 経穴：足の少陽胆経（GB5）
• 英名：Xuanlu (GB5)

取穴（位置・取り方）

• 側頭部、頭髪内、頭維（ST8）と曲鬢（GB7）を結ぶ線の中点よりやや前方に取る。
• 側頭部の髪際に沿って触診し、側頭筋の上で圧痛点を探すと分かりやすい。
• こめかみ部の頭痛や緊張で圧痛を呈しやすい部位。

解剖（近接構造）

• 表層：皮膚、皮下組織。
• 筋肉：側頭筋。
• 神経：耳介側頭神経、顔面神経の側頭枝。
• 血管：側頭浅動脈・静脈。

東洋医学的作用（要点）

• 清頭明目：頭目の不清、眼精疲労、眩暈に応用。
• 疏風止痛：風邪や肝胆火による偏頭痛に有効とされる。
• 通経活絡：経絡を開き、顔面の麻痺や痙攣にも応用。

主な適応

• 片頭痛、側頭部・偏側性の頭痛。
• 眩暈、眼の充血や疲労感。
• 顔面神経麻痺、三叉神経痛。

刺鍼（実践上の注意）

• 刺入方向：平刺または斜刺で前後に向ける。
• 刺入深さ：0.5〜1.0寸（約10〜20mm）。
• 灸法：頭髪内であるため直接灸は不向き。温灸・知熱灸を用いる場合は注意する。
• 注意点：血管が比較的多く、刺鍼時に出血・皮下出血のリスクがあるため圧迫止血を丁寧に行う。

臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

• 懸顱（GB5）は「こめかみ部の頭痛・片頭痛」に対して重要な経穴です。
• 偏頭痛・側頭痛：太陽（EX-HN5）、率谷（GB8）、風池（GB20）との併用で効果増強。
• 眼精疲労・眩暈：陽白（GB14）、瞳子髎（GB1）、承泣（ST1）を組み合わせる。
• 顔面神経麻痺：翳風（TE17）、頬車（ST6）、地倉（ST4）と併用。
• 頷厭（GB4）・懸顱（GB5）・懸釐（GB6）・曲鬢（GB7）は側頭部に並ぶ「胆経の側頭部配列穴」で、こめかみから側頭部痛に幅広く応用されます。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。