名称
- 和名:瞳子髎(どうしりょう)
- 経穴:足の少陽胆経(GB1)
- 英名:Tongziliao (GB1)
取穴(位置・取り方)
- 顔面部、目尻(外眼角)の外方0.5寸に取る。
- 目を軽く閉じて、外眼角のすぐ外側で骨際の小さなくぼみを探す。
- 眼球を圧迫しないよう、外眼角からわずかに離して取穴するのがポイント。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:眼輪筋。
- 神経:顔面神経(側頭枝)、三叉神経第1枝(眼神経)の枝。
- 血管:眼角動脈・静脈が走行。
- 深部:眼窩外側縁。眼球に非常に近接。
東洋医学的作用(要点)
- 清熱明目:目の充血、眼精疲労、視力減退に用いる。
- 通絡止痛:偏頭痛、目の周囲の痛みを改善。
- 散風:外風・内風を除き、眼疾患や顔面神経麻痺に応用。
主な適応
- 結膜炎、眼瞼炎、眼精疲労、近視・視力低下。
- 頭痛(特に側頭部・片頭痛)。
- 顔面神経麻痺、三叉神経痛。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:外方または軽く後方へ向けて、浅く斜刺。
- 刺入深さ:0.2〜0.3寸(約3〜8mm)。
- 灸法:一般には用いないが、知熱灸や温灸を応用する場合もある。
- 注意点:眼球を損傷する危険があるため、内方直刺は厳禁。施術時は患者の眼を閉じさせ、鍼は必ず骨に沿わせるようにする。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 瞳子髎(GB1)は「眼疾患の要穴」とされ、目の充血や疲労、眼精不良に用いられます。
- 眼精疲労・視力低下:攅竹(BL2)、承泣(ST1)、睛明(BL1)と組み合わせると効果的。
- 結膜炎・眼の充血:太陽(EX-HN5)、風池(GB20)と併用し、風熱を除く。
- 偏頭痛・側頭部痛:太陽(EX-HN5)、率谷(GB8)、陽白(GB14)と組み合わせる。
- 顔面神経麻痺:地倉(ST4)、頬車(ST6)、翳風(TE17)とともに使用。
- 特に「目と頭の症状を兼ねるケース」で活用頻度が高い経穴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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