名称
- 和名:曲鬢(きょくびん)
- 経穴:足の少陽胆経(GB7)
- 英名:Qubin (GB7)
取穴(位置・取り方)
- 側頭部、鬢角髪際の後方、頭維(ST8)から懸顱(GB5)、懸釐(GB6)を経て耳尖方向に引いた弧状線上。
- 懸釐(GB6)から1寸前方下方に取る。
- 側頭部のこめかみ部分で、頭痛や圧痛点を確認しながら取穴することが多い。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:側頭筋。
- 神経:耳介側頭神経、顔面神経の側頭枝。
- 血管:側頭浅動脈・静脈。
東洋医学的作用(要点)
- 疏風清熱:頭部の風邪・熱を散らす。
- 止痛:偏頭痛、こめかみの痛みに特効的。
- 清頭明目:眼精疲労や眩暈の改善に役立つ。
主な適応
- 偏頭痛、側頭部痛、こめかみの鈍痛。
- 眩暈、耳鳴り、難聴。
- 顔面神経麻痺、三叉神経痛。
- 眼精疲労、目の充血。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:平刺または斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1.0寸(約10〜20mm)。
- 灸法:直接灸は不向き。温灸・棒灸で補助的に用いる。
- 注意点:血管が豊富な部位であるため出血に注意し、刺鍼後は十分な圧迫止血を行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 曲鬢(GB7)は、胆経の側頭部ラインにある経穴の一つで、偏頭痛や側頭部痛の治療に必須です。
- 頭痛・片頭痛:頷厭(GB4)、懸顱(GB5)、懸釐(GB6)、率谷(GB8)と組み合わせると効果的。
- 耳症状(耳鳴り・難聴):聴会(GB2)、翳風(TE17)、聴宮(SI19)と併用。
- 眼精疲労・眩暈:瞳子髎(GB1)、陽白(GB14)、風池(GB20)との配穴が有効。
- 顔面神経麻痺:頬車(ST6)、地倉(ST4)、翳風(TE17)と組み合わせると経絡が通りやすくなる。
- 特に片頭痛では「胆経側頭部ライン(GB4〜GB8)」を数穴まとめて刺すと発作予防・改善に強い効果があるとされています。
※本記載は教育・参考目的の一般的情報です。実際の施術は必ず有資格者の判断・管理のもとで行ってください。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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