名称
- 和名:天衝(てんしょう)
- 経穴:足の少陽胆経(GB9)
- 英名:Tianchong (GB9)
取穴(位置・取り方)
- 側頭部、耳尖の直上2寸、率谷(GB8)の後方1寸に取る。
- 耳の上縁から頭頂部に向かって指をすべらせ、頭側の側頭筋上で圧痛点を探すとわかりやすい。
- 胆経の側頭部ライン(GB4〜GB12)の中の一穴で、特に耳尖の真上を目安とする。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:側頭筋。
- 神経:耳介側頭神経、顔面神経側頭枝。
- 血管:側頭浅動脈・静脈。
東洋医学的作用(要点)
- 清頭明目:頭部の気血を調え、眼や耳の症状を改善。
- 鎮痛作用:特に側頭部・偏頭痛に効果的。
- 疏風解表:頭風や頭重感、めまいを散じる。
主な適応
- 偏頭痛、頭重感、こめかみ痛。
- めまい、耳鳴り、難聴。
- 癲癇や精神的緊張による頭部症状。
- 眼精疲労、目の充血。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:平刺または斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1.0寸(約10〜20mm)。
- 灸法:直接灸は不適。温灸・棒灸で補助的に用いる。
- 注意点:頭皮は血管が多いため、刺鍼後は圧迫止血を十分に行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 天衝(GB9)は、胆経の頭部ライン上にあり、特に片頭痛や耳・眼の症状に適応する経穴です。
- 頭痛・偏頭痛:率谷(GB8)、浮白(GB10)、風池(GB20)と組み合わせると効果が増す。
- 耳症状:聴宮(SI19)、翳風(TE17)、聴会(GB2)と併用して耳鳴りや難聴に対応。
- 眼精疲労・めまい:瞳子髎(GB1)、陽白(GB14)、頭臨泣(GB15)との配穴が有効。
- 天衝(GB9)は精神的緊張やストレスによる頭痛にもよく使われるため、百会(GV20)や印堂(EX-HN3)との組み合わせも有効です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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