名称
- 和名:会陽(えよう)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL35)
- 英名:Huiyang (BL35)
取穴(位置・取り方)
- 臀部、尾骨端の外側、臀溝(殿裂)の外方0.5寸に取る。
- 肛門の外側で、尾骨下端の外縁に位置する。
- 白環兪(BL30)から下行し、殿裂の下端に近い位置にある。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:大臀筋下部。
- 神経:下臀神経、肛門周囲の枝、坐骨神経に近接。
- 血管:下臀動脈・静脈分枝。
東洋医学的作用(要点)
- 痔疾を治す:痔核、脱肛、肛門部の腫れや痛みに有効。
- 下焦を調整:排便・排尿機能を整える。
- 腰臀部の気血を活性化:腰臀部や坐骨神経の障害に有効。
主な適応
- 痔疾(痔核、脱肛、痔瘻、肛門出血)。
- 便秘、下痢。
- 排尿障害(頻尿、尿閉、尿失禁)。
- 腰痛、坐骨神経痛、臀部痛。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:やや斜め内方へ向けて直刺。
- 刺入深さ:1.0〜1.5寸(約25〜40mm)。
- 灸法:痔疾や泌尿器疾患には温灸が適する。
- 注意点:深刺しにより直腸を損傷しないよう注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 会陽(BL35)は肛門・直腸疾患に特に適した経穴です。
- 痔疾や脱肛には、長強(GV1)、百会(GV20)、承山(BL57)と組み合わせると効果的です。
- 便秘や下痢には、大腸兪(BL25)、天枢(ST25)、上巨虚(ST37)と併用するとよいです。
- 排尿障害では、中極(CV3)、三陰交(SP6)、次髎(BL32)を組み合わせて下焦の機能を高めます。
- 腰痛・坐骨神経痛では、環跳(GB30)、殷門(BL37)、承扶(BL36)と連携して使うと、腰臀部〜下肢にかけての経絡の通りを改善できます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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