名称
- 和名:浮郄(ふげき)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL38)
- 英名:Fuxi (BL38)
取穴(位置・取り方)
- 膝窩部、大腿二頭筋腱の内側、膝窩横紋の上方1寸に取る。
- 膝窩中央からやや内側寄り、大腿二頭筋腱の内縁に指を沿わせて探すと分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:大腿二頭筋腱の内縁、半腱様筋腱に近接。
- 神経:脛骨神経、腓腹神経。
- 血管:膝窩動脈・静脈の分枝。
東洋医学的作用(要点)
- 経絡の疏通:膝窩〜下肢の気血の流れを整える。
- 熱を冷ます:膀胱経の実熱を鎮め、下肢の腫脹や熱感を除く。
- 腰膝の強健:下肢痛・腰痛に対応する補助穴。
主な適応
- 腰痛、坐骨神経痛。
- 膝窩部の腫脹、膝関節痛。
- 下肢の麻痺や痙攣。
- 腸疾患(下痢、腹痛など)に用いられることもある。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:やや内方または直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1.0寸(約15〜25mm)。
- 灸法:腰膝痛や下肢麻痺には温灸も有効。
- 注意点:深刺しにより膝窩動脈や脛骨神経を損傷しないよう注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 浮郄(BL38)は主に膝窩周囲の痛みや下肢の循環障害に用います。
- 坐骨神経痛には、承扶(BL36)、殷門(BL37)、委中(BL40)と併用して膀胱経全体の気血を流すと効果的です。
- 膝関節痛では、内膝眼(EX-LE4)、梁丘(ST34)、陽陵泉(GB34)などと組み合わせると疼痛緩和に有効です。
- 下痢や腹痛といった腸疾患に使う場合は、天枢(ST25)、上巨虚(ST37)、大腸兪(BL25)などと併用すると消化管機能の調整に役立ちます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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