大杼まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:大杼(だいじょ)
  • 経穴:足の太陽膀胱経(BL11)
  • 所属:骨会(八会穴の一つ)、血会の作用とも関連するとされる
  • 英名:Dazhu (BL11)
  • 由来:「杼」は機織りの杼(ひ)で、条理の通達を意味する。背部の要穴であり、骨と関連するため「大杼」と呼ばれる。


取穴(位置・取り方)

  • 第1胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線から外方1.5寸。
  • 大杼は肺兪(BL13)厥陰兪(BL14)など胸椎の兪穴群の最も上方に位置する。


解剖(近接構造)

  • 表層:僧帽筋、菱形筋。
  • 深層:脊柱起立筋。
  • 神経:肩甲背神経、脊髄神経後枝。
  • 血管:肋間動脈背枝。
  • 関連臓腑:肺・骨格系との関連が重視される。


東洋医学的機能(古典的記載)

  • 補益気血:気血の流通を整える。
  • 健骨利節:骨・関節を強める作用があるとされる。
  • 散風解表:風邪・外感を治する。


古典的応用例

  • 『鍼灸甲乙経』:項背の強急、寒熱往来、骨痛に用いるとされる。
  • 『銅人腧穴鍼灸図経』:風邪による悪寒・発熱、骨蒸潮熱に応用。
  • 『鍼灸大成』:痿証(手足の萎え)、骨関節疾患、風邪感冒に有効と記載。
  • 『類経図翼』:骨会として、骨病・関節痛・瘧疾などに広く応用されることを示す。


刺鍼法(古典的記載・参考)

  • 刺入方向:斜刺または横刺。
  • 刺入深度:0.5〜0.8寸程度。
  • 灸法:慢性疾患、骨関節疾患、虚証には灸が用いられた。

※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。



禁忌・注意

  • 刺鍼は深刺を避け、胸腔への損傷を防ぐ。
  • やせた人では特に深さに注意する。


臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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