名称
- 和名:身柱(しんちゅう)
- 経穴:督脈(GV12)
- 英名:Shenzhu (GV12)
取穴(位置・取り方)
- 背部正中線上、第3胸椎棘突起の下縁に取穴。
- 左右の肩甲棘内端を結ぶ線上の正中にあたり、肩甲骨間部で圧痛点を探ると取りやすい。
- 「肺兪(BL13)」の間に位置し、呼吸器疾患の要穴。
解剖(近接構造)
- 皮下に僧帽筋、菱形筋。
- 深部に棘上靭帯・脊柱起立筋。
- さらに深部に脊髄神経根(第3胸神経)。
- 血管:肋間動脈分枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱解表・清肺平喘:外感熱病や発熱、咳嗽、喘息に用いる。
- 鎮静安神:心煩・不眠・小児驚風に応用。
- 通絡止痛:肩背部のこわばり・疼痛の改善。
臨床応用(関連症状)
- 呼吸器疾患:咳嗽・喘息・気管支炎・感冒。
- 熱性疾患:発熱・高熱・小児の高熱痙攣。
- 神経・精神症状:不眠・焦燥感・小児夜啼。
- 運動器疾患:肩背部のこわばり・僧帽筋痛。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- やや下方に向けて斜刺、0.5–0.8寸(約10–20mm)。
- 直刺は不可。深刺は胸膜損傷の危険がある。
- 操作:清瀉を目的とする場合は瀉法(強めの捻鍼)、安神目的なら軽刺激。
- 保持時間:10–15分。
- 灸:棒灸・知熱灸。発熱時は灸を避ける。
禁忌・注意
- 直刺・深刺は禁忌(気胸リスク)。
- 高熱時の灸は禁忌。
- 小児には浅刺または皮内鍼・接触鍼で十分。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 咳嗽・喘息:身柱(GV12)+肺兪(BL13)+膻中(CV17)。
- 高熱・小児痙攣:身柱(GV12)+大椎(GV14)+百会(GV20)。
- 不眠・神経症状:身柱(GV12)+印堂(EX-HN3)+神門(HT7)。
- 肩背部痛:身柱(GV12)+風池(GB20)+肩井(GB21)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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