名称
- 和名:風門(ふうもん)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL12)
- 別名:表寒の要穴、感冒の門戸
- 英名:Fengmen (BL12)
- 由来:「風」は外邪の代表である風邪を指し、「門」は出入り口の意味。すなわち風邪が侵入する門戸にあたる部位であることから命名された。
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:僧帽筋、菱形筋。
- 深層:脊柱起立筋。
- 神経:脊髄神経後枝、肩甲背神経。
- 血管:肋間動脈背枝。
- 関連臓腑:肺、呼吸器系と密接に関連。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 疏風解表:外感風邪を解す。
- 宣肺止咳:肺の気を宣通し、咳嗽を止める。
- 調和営衛:衛気と営気の調和を助け、邪気の侵入を防ぐ。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:感冒、発熱、悪寒、咳嗽、鼻塞に用いる。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:風邪による項背の強急、悪寒発熱に応用。
- 『鍼灸大成』:風門は「表邪を解し、風を去る」とし、感冒初期の特効穴として記載。
- 『類経図翼』:鼻疾患、喘息、寒熱往来に広く用いると解説。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:斜刺または横刺。
- 刺入深度:0.5〜0.8寸程度。
- 灸法:感冒、慢性の鼻炎や喘息に施灸が古来より多用された。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 刺鍼時は胸腔を損傷しないように浅めに取る。
- 特にやせ型の人では深刺に注意する。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 感冒・風寒表証:大椎(GV14)、列缺(LU7)、合谷(LI4)と併用し、発汗解表を図る。
- 咳嗽・喘息:肺兪(BL13)、膏肓(BL43)、定喘(EX-B1)と合わせて肺気を宣通。
- 鼻閉・慢性鼻炎:印堂(EX-HN3)、迎香(LI20)、上星(GV23)と組み合わせて鼻竅を開く。
- 寒熱往来・瘧疾:大杼(BL11)、身柱(GV12)、合谷(LI4)と配穴し、正邪の争いを調和させる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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