名称
- 和名:大赫(だいかく)
- 経穴:足の少陰腎経(KI12)
- 英名:Dahe (KI12)
- 由来:「赫」は赤々と輝く意で、腎経に属し、生殖・泌尿器系の機能と密接に関わる要穴であることから命名された。
取穴(位置・取り方)
- 下腹部、臍中の下方4寸、正中線(任脈)から外方0.5寸に取る。
- 関元(CV4)の外方0.5寸に相当する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:肋間神経前皮枝。
- 血管:下腹壁動脈・静脈の枝。
- 関連臓腑:腎・膀胱・生殖器系と関係が深い。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 補腎固精:腎気を補い、精関を固めるとされる。
- 調経安胎:婦人科疾患に応用されると伝えられる。
- 利尿作用:膀胱機能を調整し、小便異常に用いられる。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:遺精、淋証、婦人の不姙に用いるとされる。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:小便難、遺尿、男子の陽痿に応用。
- 『鍼灸大成』:腰痛、下腹部の冷痛、婦人の月経不調に効果があると記される。
- 『類経図翼』:腎虚による帯下、不妊、胎動不安に用いると解説。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸。
- 灸法:冷えを伴う泌尿器・婦人科疾患に用いられることが多かった。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 膀胱に近いため、過度な深刺は避ける。
- 妊婦には刺激を慎重に行う。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 遺精・陽痿:腎兪(BL23)、命門(GV4)と組み合わせ、補腎固精を図る。
- 小便不利・淋証:中極(CV3)、陰陵泉(SP9)とあわせ、膀胱気化を助ける。
- 婦人科疾患(不妊・月経不調・帯下):関元(CV4)、子宮(EX-CA1)と併用し、腎気を補い胞宮を温養する。
- 腰腹部の冷痛:気海(CV6)、三陰交(SP6)と組み合わせ、気血を補い温経散寒を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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