名称
- 和名:気穴(きけつ)
- 経穴:足の少陰腎経(KI13)
- 英名:Qixue (KI13)
- 由来:「気」は生命活動の根本を意味し、「穴」は経気の集まる所を指す。腎気と胞宮に関わる要穴として名付けられた。
取穴(位置・取り方)
- 下腹部、臍中の下方3寸、正中線(任脈)から外方0.5寸に取る。
- 中極(CV3)と臍を結ぶ線の下1/3点、正中線から0.5寸外側。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:肋間神経前皮枝。
- 血管:下腹壁動脈・静脈の枝。
- 関連臓腑:腎・膀胱・婦人科系と密接に関わる。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 補腎益気:腎気を養い、気の不足を補う。
- 調経安胎:婦人科領域に用いられ、月経や妊娠の安定を助けるとされる。
- 利尿通淋:膀胱気化を助け、小便異常に応用される。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:小便不利、遺精、婦人の月経不調に用いると記載。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:下腹部の冷痛、腰痛、婦人の帯下に応用。
- 『鍼灸大成』:気穴は「気を益し腎を補う」と述べられ、虚弱体質や婦人科疾患に有効とされた。
- 『類経図翼』:不妊、胎動不安、小便不利など多岐に応用可能とする。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸。
- 灸法:冷えや虚弱に対して施灸が多用された。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 膀胱に近いため深刺には注意。
- 妊婦への強刺激は控える。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 婦人科疾患(不妊・月経不調・帯下):関元(CV4)、子宮(EX-CA1)、三陰交(SP6)と組み合わせ、胞宮を温養し、腎気を補う。
- 泌尿器疾患(小便不利・淋証・遺尿):中極(CV3)、陰陵泉(SP9)とあわせて膀胱気化を助ける。
- 腰腹部の冷痛・虚弱体質:気海(CV6)、命門(GV4)、腎兪(BL23)と組み合わせて補腎益気を図る。
- 安胎:大赫(KI12)、横骨(KI11)と連用して胞宮を固め、妊娠の維持を助けると伝えられる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿