名称
- 和名:子宮(しきゅう)
- 経穴分類:奇穴
- 別名:子戸
- 由来:婦人科疾患に多く用いられ、子宮・生殖機能に関係が深いことから命名された。
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 皮膚・皮下組織。
- 腹直筋。
- 下腹壁動静脈・神経。
- 深部には子宮・卵巣・膀胱などの骨盤内臓器が近接する。
東洋医学的機能
- 調経止痛:月経不調・月経困難を調整する作用があるとされる。
- 補腎益精:腎気を補い、生殖機能を整えるとされる。
- 安胎作用:妊娠に関連する症状の安定に用いられた。
古典的応用例
- 『鍼灸大成』:「主婦人経水不調、子宮虚冷、不孕」と記載。
- 『鍼灸聚英』:月経不順・崩漏・少腹冷痛・不妊症に用いるとされる。
- また現代においても、不妊症、子宮発育不全、月経困難症、月経不順など婦人科疾患に多用される。
刺鍼法(参考・古典的記載)
- 刺入方向:直刺または斜刺。
- 刺入深度:0.8〜1.5寸。
- 灸法:温灸を施すと、下腹部の冷えや虚寒証に応用される。
※これは教育・研究目的の古典的記載です。実際の施術は必ず国家資格を有する専門家のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 妊娠中は刺激を控える(安胎目的で用いられる場合もあるが、専門的な判断が必須)。
- 深刺時には膀胱・子宮など骨盤内臓器を損傷しないよう注意する。
臨床のコツ・組み合わせ
- 不妊症:関元(CV4)、気海(CV6)、三陰交(SP6)とあわせて用い、腎気を補い、胞宮を温養するとされる。
- 月経不順・月経困難:地機(SP8)、中極(CV3)、太衝(LR3)と組み合わせ、疏肝理気・活血化瘀を図る。
- 崩漏・帯下:大赫(KI12)、陰交(CV7)と併せて用い、任衝を調えるとされる。
- 少腹冷痛:関元(CV4)、帰来(ST29)とあわせて下焦の寒凝を散らすことを意図する。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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