名称
- 和名:水道(すいどう)
- 経穴:足の陽明胃経(ST28)
- 英名:Shuidao (ST28)
- 由来:「水道」とは水分代謝の通路を意味し、泌尿・生殖機能と関わる経穴であることから命名された。
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:肋間神経(腹直筋枝)。
- 血管:下腹壁動脈、浅腹壁動脈の枝。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 利水調経:水分代謝を調整し、排尿や生殖に関連する働きを整える。
- 下焦の気滞を通じる:小腹の張りや痛みを和らげるとされる。
- 婦人科調整:月経不順・帯下など婦人科症状に応用されてきた。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:小腹痛、癃閉(排尿困難)、小便不利に用いるとされる。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:婦人の月経不調、帯下、腹満に応用。
- 『鍼灸大成』:水腫、小便不利、婦人の経水不調に効果があるとされる。
- 『類経図翼』:下焦の水道を調える穴として解説され、腎経・膀胱経と関連づけられている。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深度:0.7〜1.2寸程度。
- 灸法:水腫や婦人科疾患に温灸が用いられてきた。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 腹腔臓器を損傷しないように深刺を避ける。
- 妊娠中の下腹部刺鍼は禁忌。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 排尿障害・小便不利:中極(CV3)、陰陵泉(SP9)、志室(BL52)と組み合わせて利水作用を高める。
- 婦人科疾患(月経不順・帯下):関元(CV4)、三陰交(SP6)、子宮(EX-CA1)と配穴し、下焦の調整を図る。
- 水腫・下腹部膨満:水分(CV9)、気海(CV6)、天枢(ST25)と併用し、水分代謝を助ける。
- 疝気や小腹痛:大巨(ST27)、気穴(ST30)と合わせて下腹部の気滞を通じる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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