テーマ
- 背部兪穴療法(Back-Shu Point Therapy)
- 対象:五臓六腑の調整、慢性疾患、自律神経失調、消化器・呼吸器・泌尿器・婦人科系など。
- 主な使用経穴:
取穴(位置の確認)
- 肺兪(BL13):第3胸椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 心兪(BL15):第5胸椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 肝兪(BL18):第9胸椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 脾兪(BL20):第11胸椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 腎兪(BL23):第2腰椎棘突起下縁の外方1.5寸。
施術法(鍼と灸の使い分け)
- 鍼:
- 直刺0.5〜1寸。背部筋緊張が強い場合は斜刺。
- 配穴は2〜4穴程度に絞り、過剰刺激を避ける。
- 灸:
- 虚証・冷えが強い場合に各兪穴へ温灸。
- 腎兪・脾兪には補法としての灸が有効。
- 使い分け:
- 急性疾患や実証症状:鍼で瀉法中心。
- 慢性疾患や虚証傾向:灸を多用し補益。
臨床応用と効果
- 肺兪:咳嗽、喘息、感冒、呼吸器調整。
- 心兪:不眠、動悸、精神不安、自律神経失調。
- 肝兪:肝気鬱結、目の疲れ、月経不調、ストレス性症状。
- 脾兪:消化不良、倦怠感、浮腫、慢性下痢。
- 腎兪:腰痛、冷え、頻尿、不妊症、慢性疲労。
- 効果全般:臓腑機能調整、気血水バランスの改善、全身調和。
禁忌・注意
- 脊柱側弯や変形がある場合は位置確認を慎重に。
- 痩せ型・高齢者では刺入深度に注意し、臓器損傷を避ける。
- 過度の施灸による水疱や熱感に注意。
臨床のコツ・コンビネーション
- 呼吸器系:肺兪(BL13)+膏肓(BL43)+風門(BL12)。
- 自律神経失調:心兪(BL15)+肝兪(BL18)+膈兪(BL17)。
- 消化器系:脾兪(BL20)+胃兪(BL21)+中脘(CV12)。
- 腎虚・腰痛:腎兪(BL23)+志室(BL52)+命門(GV4)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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