名称
- 和名:玉枕(ぎょくちん)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL9)
- 英名:Yuzhen (BL9)
取穴(位置・取り方)
- 後頭部、外後頭隆起の上縁と後髪際との中点から外方1.3寸に取る。
- 風府(GV16)の外方1.3寸、天柱(BL10)の上方にあたる位置。
- 後頭骨下縁の陥凹部で、頭痛や項部のこわばりの際に圧痛を確認しやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:僧帽筋、頭半棘筋。
- 神経:大後頭神経、小後頭神経の分枝。
- 血管:後頭動脈・静脈。
東洋医学的作用(要点)
- 清頭明目:頭部の気血を調整し、頭痛・めまい・眼疾患に応用される。
- 安神作用:不眠・多夢・精神不安を和らげるとされる。
- 疏風解表:風邪や外感による項強・頭痛に適応する。
主な適応
- 頭痛(特に後頭部・偏頭痛)。
- めまい、頭重感。
- 眼疾患(充血、かすみ目、流涙)。
- 精神神経症状(不眠、多夢、癲癇など)。
- 項部のこわばりや首の運動障害。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:水平またはやや下方への斜刺。
- 刺入深さ:0.3〜0.5寸(約5〜10mm)。
- 針具:細径鍼(0.14〜0.20mm)、25〜30mmの短鍼を用いる。
- 灸法:知熱灸・温灸は慢性的な頭痛や冷えに伴うめまいに応用。
- 注意点:後頭動脈の走行に留意し、過度の深刺は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 玉枕(BL9)は特に後頭部の頭痛・項部のこわばりに有効とされ、臨床でよく選ばれる経穴です。
- 頭痛・めまいには、風池(GB20)、天柱(BL10)、百会(GV20)と併用し、頭部の清明を図ります。
- 眼疾患では、睛明(BL1)、太陽(EX-HN5)、承泣(ST1)など眼周囲の経穴と組み合わせ、目の充血やかすみを改善する方針で用いられます。
- 不眠や多夢など精神的な不安定には、神庭(GV24)、安眠(EX-HN22)、神門(HT7)と合わせて安神作用を期待します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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