名称
- 和名:督兪(とくゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL16)
- 英名:Dushu (BL16)
取穴(位置・取り方)
- 第6胸椎棘突起の下縁(督脈の霊台GV10の高さ)の外方1.5寸に取る。
- 肩甲骨内縁のほぼ中央にあたる高さ。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋。
- 神経:肋間神経背枝。
- 血管:肋間動脈背枝。
東洋医学的作用(要点)
- 調和督脈:督脈と関係し、脊椎や背部の不調を整える。
- 理気活絡:背部痛や肩甲間部の凝りに有効。
- 安神:精神安定、不眠、焦燥感に応用される。
主な適応
- 背部痛、肩甲間部痛。
- 心窩部の痞えや胸苦しさ。
- 不眠、焦燥感、精神神経症状。
- 脊椎や背部のこわばり。
- 呼吸器症状(咳嗽、喘息)。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:斜刺あるいは直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜20mm)。
- 針具:0.16〜0.24mm径、30〜40mm鍼を使用。
- 灸法:知熱灸・温灸を併用すると背部痛・冷えを伴う不眠に効果的。
- 注意点:過度に深刺すると気胸の危険があるため、角度と深さに注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 督兪(BL16)は督脈の兪穴にあたり、背部全体のバランス調整に用いられる重要な経穴です。
- 背部痛・肩甲間部の凝りには、心兪(BL15)、膈兪(BL17)と合わせて応用するとよいです。
- 精神的な不安や不眠には、神門(HT7)、内関(PC6)、百会(GV20)などと組み合わせて安神作用を強めます。
- 咳嗽や喘息の際は、肺兪(BL13)、膈兪(BL17)、天突(CV22)などと併用し、呼吸機能を整える方針をとります。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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