名称
- 和名:気海兪(きかいゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL24)
- 英名:Qihaishu (BL24)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、第3腰椎棘突起の下縁(督脈の腰陽関GV3の高さ)の外方1.5寸に取る。
- 腰部中央からやや外側で、腰の筋肉の膨隆部に触れる位置。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:広背筋、腰背腱膜、脊柱起立筋。
- 神経:腰神経後枝。
- 血管:腰動脈背枝。
東洋医学的作用(要点)
- 補益腎気:腎を補い、腰痛や下肢の脱力を改善。
- 調和下焦:泌尿器・婦人科系の不調を整える。
- 強腰健骨:腰背部のこわばりや虚弱体質の改善。
主な適応
- 腰痛、坐骨神経痛、下肢のしびれ。
- 泌尿器系症状(頻尿、排尿困難、腎虚による症状)。
- 婦人科系疾患(月経不調、不妊症、帯下)。
- 慢性疲労や虚弱体質。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:やや内方に斜刺、または直刺。
- 刺入深さ:0.8〜1.2寸(約20〜30mm)。
- 針具:0.20〜0.24mm径、40〜50mm鍼を使用。
- 灸法:腰痛や腎虚には灸が有効。温灸・知熱灸を用いる。
- 注意点:深刺での臓器損傷の危険は少ないが、角度と深さに注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 気海兪(BL24)は腎気を補い、腰痛や下焦の虚弱を改善する要穴です。
- 腰痛には腎兪(BL23)、大腸兪(BL25)と合わせて「腰三兪」と呼ばれる組み合わせで用いると効果的です。
- 婦人科疾患には、関元(CV4)、三陰交(SP6)、次髎(BL32)と併用することで月経不順や不妊症への応用が広がります。
- 泌尿器症状には、中極(CV3)、志室(BL52)とともに用いて腎気を補い排尿障害を改善します。
- 慢性疲労や虚弱体質には、気海(CV6)、命門(GV4)との組み合わせが推奨されます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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