名称
- 和名:関元兪(かんげんゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL26)
- 英名:Guanyuanshu (BL26)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、第5腰椎棘突起の下縁(督脈の腰兪GV3の高さ)の外方1.5寸に取る。
- 腰椎の最下部で骨盤に近い位置にあり、腰の広い筋肉の外縁にあたる。
- 大腸兪(BL25)の1椎下に位置するため、椎体を数えて取穴する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:広背筋、腰背腱膜、脊柱起立筋群。
- 神経:腰神経後枝。
- 血管:腰動脈背枝。
東洋医学的作用(要点)
- 補腎益精:腎気を補い、腰痛・下肢脱力に有効。
- 調和下焦:生殖器疾患、婦人科疾患、泌尿器疾患に応用。
- 腰痛要穴:特に慢性腰痛にしばしば選穴される。
主な適応
- 腰痛、坐骨神経痛。
- 泌尿器疾患(頻尿、排尿困難、遺尿)。
- 婦人科疾患(月経痛、月経不順、不妊症)。
- 慢性疲労・冷え性・虚弱体質。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:やや内方へ斜刺、または直刺。
- 刺入深さ:0.8〜1.2寸(約20〜30mm)。
- 針具:0.20〜0.24mm径、40〜50mm鍼を用いる。
- 灸法:腎虚や冷えを伴う腰痛には温灸・知熱灸が有効。
- 注意点:深刺で脊髄や臓器を損傷する危険は少ないが、過度の刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 関元兪(BL26)は「腰痛の要穴」としてよく用いられ、特に慢性腰痛や腎虚を伴う腰背部症状に有効です。
- 腰痛には腎兪(BL23)、大腸兪(BL25)、気海兪(BL24)と組み合わせて腰部全体の気血を整えると良いです。
- 婦人科疾患(不妊症や月経不調)には、関元(CV4)、三陰交(SP6)、次髎(BL32)との併用が効果的。
- 泌尿器症状には、中極(CV3)、志室(BL52)を合わせて腎気の不足を補います。
- 虚弱体質や冷えには、命門(GV4)、気海(CV6)と組み合わせると効果的です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿