名称
- 和名:商曲(しょうきょく)
- 経穴:足の少陰腎経(KI17)
- 英名:Shangqu (KI17)
取穴(位置・取り方)
- 上腹部、臍中(CV8)の上方2寸、前正中線の外方0.5寸に取る。
- 腎経腹部穴(KI11〜KI21)の一つで、臍上部から胸部へ連なるライン上に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:第9肋間神経の皮枝・筋枝。
- 血管:上腹壁動脈・静脈。
- 深部:腹膜、さらに小腸。
東洋医学的作用(要点)
- 調中和胃:胃気を調整し、消化機能を助ける。
- 理気止痛:腹部膨満感や胃痛に有効。
- 補腎益気:腎経の要穴として、腎気を補い全身のバランスを整える。
主な適応
- 胃痛、消化不良、嘔吐。
- 便秘や下痢などの消化器症状。
- 腹部膨満感。
- 婦人科系疾患(生理痛、月経不順)。
- 慢性疲労、腎虚による体力低下。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- 灸法:温灸・知熱灸ともに適応。特に胃腸虚弱や冷えに伴う消化器不調に有効。
- 注意点:深刺は腹腔臓器に達する可能性があるため慎重に行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 商曲(KI17)は、腎経が腹部を上行するライン上にあり、胃腸機能の調整に有効です。
- 胃痛・消化不良には、中脘(CV12)、天枢(ST25)、足三里(ST36)と組み合わせて用いる。
- 便秘・下痢には、天枢(ST25)、大巨(ST27)、肓兪(KI16)と連携し腸の働きを整える。
- 婦人科疾患には、関元(CV4)、三陰交(SP6)、帰来(ST29)と併用することで月経不順や下腹部痛に応用。
- 慢性疲労や腎虚症状には、腎兪(BL23)、関元(CV4)、気海(CV6)とあわせて補腎・益気を図る。
- 隣接する肓兪(KI16)や石関(KI18)と合わせて使用することで、腹部全体の調整に役立つ経穴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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