名称
- 和名:肓兪(こうゆ)
- 経穴:足の少陰腎経(KI16)
- 英名:Huangshu (KI16)
取穴(位置・取り方)
- 下腹部、臍中(CV8)の外方0.5寸に取る。
- 臍を中心に腎経が走行する要穴で、腎経の腹部経穴群(KI11〜KI21)のほぼ中央に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:肋間神経前皮枝。
- 血管:上・下腹壁動脈・静脈。
- 深部:腹膜・小腸。
東洋医学的作用(要点)
- 補腎健脾:腎気を養い、脾胃の働きを助ける。
- 調中和腸:中焦の気を調整し、腸の働きを整える。
- 理気止痛:腹痛や下腹部の張りに応用される。
主な適応
- 腹痛、便秘、下痢。
- 腸疾患(腸炎、消化不良)。
- 月経不順、婦人科疾患。
- 腎虚による疲労、体力低下。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- 灸法:知熱灸・温灸ともに可。特に慢性の脾胃虚弱や冷えを伴う消化器症状に有効とされる。
- 注意点:深刺で腹腔臓器を損傷しないよう注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 肓兪(KI16)は、臍の高さにあり腎経・任脈との関連が深く、消化器・泌尿器・婦人科に広く応用されます。
- 便秘・下痢には、天枢(ST25)、大巨(ST27)、中脘(CV12)と併用し、腸の働きを整える。
- 婦人科疾患(月経不順・月経痛)には、関元(CV4)、三陰交(SP6)、帰来(ST29)などと組み合わせる。
- 腎虚による慢性疲労では、腎兪(BL23)、気海(CV6)、命門(GV4)とあわせて補腎・益気を図る。
- 腹部全体の調整点として、周囲の腎経穴(中注KI15、商曲KI17)と連続的に使用するのも有効です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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