名称
- 和名:中注(ちゅうちゅう)
- 経穴:足の少陰腎経(KI15)
- 英名:Zhongzhu (KI15)
取穴(位置・取り方)
- 下腹部、臍中(CV8)の下方1寸、正中線の外方0.5寸に取る。
- 腎経上に位置し、臍周囲の腎経経穴(KI13〜KI16)の一つとして腹部調整に関わる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:肋間神経前皮枝。
- 血管:下腹壁動脈・静脈。
東洋医学的作用(要点)
- 補腎健脾:腎気を養い、脾胃の働きを助ける。
- 調中化湿:中焦の湿を取り除き、腹部膨満感や便通異常を和らげるとされる。
- 理気止痛:下腹部の気滞による痛みに応用される。
主な適応
- 下腹部痛、腹部膨満感。
- 便秘や下痢などの便通異常。
- 月経不順、月経痛。
- 婦人科疾患、泌尿器疾患。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:軽度内方または直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- 灸法:知熱灸・温灸も可能。特に慢性的な冷えや婦人科症状に用いられる。
- 注意点:腹腔内臓器に近いため、深刺には十分な注意を要する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 中注(KI15)は、臍下の腎経要穴群のひとつとして、消化器・泌尿器・婦人科系の症状に広く応用されます。
- 腹部膨満感や便通異常には、中脘(CV12)、天枢(ST25)、大巨(ST27)と組み合わせて中下焦の調整を図ります。
- 月経不順・月経痛では、関元(CV4)、三陰交(SP6)、気海(CV6)と併用し、腎気を補い血を調整します。
- 泌尿器疾患(頻尿・遺尿など)には、膀胱兪(BL28)、腎兪(BL23)、志室(BL52)とあわせて用いられることがあります。
- 全体として、腎気を基盤としつつ、脾胃とのバランスを整える目的で活用されるのが特徴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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