名称
- 和名:四満(しまん)
- 経穴:足の少陰腎経(KI14)
- 英名:Siman (KI14)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:第10肋間神経前皮枝。
- 血管:上腹壁動・静脈、下腹壁動・静脈。
- 深部:小腸、子宮・膀胱に近接する領域。
東洋医学的作用(要点)
- 理気化滞:下腹部の気滞を通じ、気機を調える。
- 調経安胎:婦人科疾患、妊娠維持に関与。
- 健脾和胃:脾胃の働きを助け、消化吸収を促す。
- 補腎固精:腎気を補い、生殖機能を整える。
主な適応
- 婦人科疾患:不妊症、月経不順、月経困難、帯下、習慣性流産。
- 泌尿器疾患:頻尿、排尿困難、膀胱炎、尿閉。
- 消化器疾患:下痢、便秘、腹痛、鼓脹。
- 下腹部の冷え・張り感。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺または軽い斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約15〜25mm)。
- 灸法:棒灸・温灸・知熱灸がよい。冷えや月経痛に有効。
- 注意点:深刺は腹腔内臓器(腸管、膀胱)に損傷を及ぼす恐れがあるため、必ず慎重に行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 四満(KI14)は「臍下の気滞・血滞・湿滞」に対応する要穴で、婦人科・泌尿器科・消化器疾患に幅広く用いられます。
- 婦人科疾患(不妊・月経不順・習慣性流産):関元(CV4)、子宮(EX-CA1)、三陰交(SP6)と併用。
- 泌尿器疾患:中極(CV3)、曲骨(CV2)、陰陵泉(SP9)と組み合わせ、排尿障害に有効。
- 消化器疾患(下痢・便秘・腹痛):天枢(ST25)、大巨(ST27)、気海(CV6)と併用するとよい。
- 下腹部の冷え・虚証:灸法を重視し、命門(GV4)、関元(CV4)との組み合わせが温補効果を高める。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿