名称
- 和名:頭竅陰(とうきょういん)
- 経穴:足の少陽胆経(GB11)
- 英名:Touqiaoyin (GB11)
取穴(位置・取り方)
- 耳介後部、乳様突起の後下方、浮白(GB10)と完骨(GB12)のほぼ中点に取る。
- 耳の後ろの骨(乳様突起)の下縁を指でたどり、圧痛点を確認するとわかりやすい。
- 側頭部から後頭部へ流れる胆経のライン上に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:胸鎖乳突筋付着部、耳介後筋。
- 神経:後頭神経(小後頭神経)、耳介後神経。
- 血管:後耳介動脈、後頭動脈の枝。
東洋医学的作用(要点)
- 鎮痛作用:頭痛、とくに耳の後ろから後頭部にかけての痛みに有効。
- 耳目を清す:耳鳴り、難聴、めまい、視覚障害に用いる。
- 安神:不眠や精神的緊張を和らげる。
主な適応
- 偏頭痛、後頭部の頭痛、側頭部痛。
- 耳鳴り、難聴、中耳炎。
- めまい、目の疲れ、充血。
- 不眠、神経症状、癲癇。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:平刺または斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1.0寸(約10〜20mm)。
- 灸法:直接灸は不向き。温灸・棒灸で補助的に使用。
- 注意点:乳様突起周辺は血管・神経が密集しており、過度の刺激を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 頭竅陰(GB11)は耳の症状や後頭部痛に対して有効な経穴です。
- 耳疾患:聴宮(SI19)、翳風(TE17)、聴会(GB2)と併用し、耳鳴りや難聴に用いる。
- 頭痛・めまい:風池(GB20)、天柱(BL10)、完骨(GB12)と組み合わせると後頭部の頭痛やめまいに有効。
- 眼疾患:瞳子髎(GB1)、陽白(GB14)とともに視覚症状へ応用。
- 不眠・安神:安眠(EX-HN15)、百会(GV20)と組み合わせて精神不安や不眠を改善する。
- 特に「耳の後ろの違和感や痛み」に適した経穴として臨床で選ばれることが多いです。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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