名称
- 和名:意舎(いしゃ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL49)
- 英名:Yishe (BL49)
取穴(位置・取り方)
- 第11胸椎棘突起下縁の高さで、後正中線から外方3寸に取る。
- 脾兪(BL20)の外方に位置し、脾胃機能との関わりが深い。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:僧帽筋、広背筋。
- 神経:肋間神経背枝。
- 血管:肋間動脈背枝。
東洋医学的作用(要点)
- 健脾和胃:脾胃を整え、飲食不調や消化不良に効果。
- 寛中止痛:腹部の膨満や疼痛を軽減する。
- 安心作用:意舎は「意(思慮・考えすぎ)」と関係し、心脾の不調による不安や憂うつに応用される。
主な適応
- 胃脘痛、腹部膨満、消化不良。
- 下痢、嘔吐。
- 憂うつ、不安、不眠。
- 思慮過度による心脾不調。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:内方斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜0.8寸(約10〜20mm)。
- 灸法:温灸・知熱灸が適応。脾胃虚弱や慢性の消化器症状に用いられる。
- 注意点:胸腔に近いため深刺は避ける。特に痩せ型患者では要注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 意舎(BL49)は「脾の外関穴」とされ、脾胃消化機能と精神活動(思慮)に関与する特徴があります。
- 消化器不調(胃脘痛・下痢・食欲不振):脾兪(BL20)、中脘(CV12)、足三里(ST36)と併用。
- 思慮過度・憂うつ・不眠:心兪(BL15)、三陰交(SP6)と合わせ、心脾両虚の調整を図る。
- 慢性胃腸虚弱:意舎(BL49)と腎兪(BL23)、大腸兪(BL25)を組み合わせて補益。
- 神経性胃炎や過敏性腸症候群:内関(PC6)、太衝(LR3)と併用し、情志の安定を助ける。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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