名称
- 和名:四瀆(しとく)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE9)
- 英名:Sidu (TE9)
取穴(位置・取り方)
- 前腕後側、肘頭と陽池(TE4)を結ぶ線上で、肘頭の下方7寸に取る。
- 三陽絡(TE8)のすぐ上方にあり、前腕背側中央、橈骨と尺骨の間に位置する。
- 触診では、総指伸筋と尺側手根伸筋の間を指標とすると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:総指伸筋と尺側手根伸筋の間。
- 神経:橈骨神経浅枝、後骨間神経の枝。
- 血管:後骨間動脈の枝。
東洋医学的作用(要点)
- 疏経活絡:経絡を通じさせ、腕や肩の動きを改善する。
- 消腫散結:関節の腫れや局所のしこりを軽減する。
- 清熱作用:少陽経の熱を散じ、炎症性疾患に対応する。
主な適応
- 上肢の疼痛、麻痺、しびれ。
- 肘関節や肩関節の可動制限。
- 頸肩腕症候群。
- 耳鳴り、難聴(少陽経の経絡病に関連)。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺、または尺側へやや斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約15〜25mm)。
- 注意点:橈骨神経走行に近いので、強い放散痛を生じた場合は抜鍼する。
- 灸法:慢性的な上肢の疲労・冷え・神経痛に有効。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 四瀆(TE9)は「上肢痛・痺れ」のほか、肩関節の動きを改善する目的でも使われます。
- 肩関節痛:肩髃(LI15)、肩髎(TE14)、秉風(SI12)と組み合わせると効果的。
- 上肢麻痺・痺れ:三陽絡(TE8)、外関(TE5)、曲池(LI11)と併用。
- 耳疾患:翳風(TE17)、聴宮(SI19)、聴会(GB2)と合わせて耳鳴りや難聴に応用可能。
- 臨床では「三焦経の上肢調整穴」として、局所治療と経絡治療の橋渡しに使いやすい穴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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