名称
- 和名:周栄(しゅうえい)
- 経穴:足の太陰脾経(SP20)
- 英名:Zhōuróng (SP20)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋層:大胸筋。
- 神経:第2肋間神経外側皮枝。
- 血管:肋間動脈・静脈の枝。
- 深部:胸膜腔 → 深刺は気胸のリスクがあるため厳禁。
東洋医学的機能
- 理気寛胸:胸中の気滞を解消し、胸のつかえを和らげる。
- 和胃降逆:胃気の上逆を調整し、嘔吐やしゃっくりに用いる。
- 止咳平喘:肺気を調整し、咳嗽・喘息を鎮める。
- 通乳:乳房の張りや乳汁分泌不足の補助療法に応用。
臨床応用(主な適応)
- 胸部疾患:胸痛、胸のつかえ、息苦しさ。
- 呼吸器疾患:咳嗽、喘息、呼吸困難。
- 消化器疾患:しゃっくり、嘔吐、胃の膨満感。
- 乳房疾患:乳汁分泌不足、乳房の緊張感。
刺鍼法(安全重視)
- 針具:0.20–0.25mm、長さ15–30mm。
- 刺入方向と深さ:外斜刺で0.3–0.5寸。直刺・深刺は禁止(気胸の危険)。
- 灸法:温灸や知熱灸を適応。慢性の咳や冷えを伴う症状に用いられる。
禁忌・注意
- 深刺・直刺は禁忌(気胸リスク)。
- 炎症性乳房疾患の急性期には避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
周栄(SP20)は、胸部疾患や呼吸器症状のほか、乳房疾患や消化器の逆気症状にも応用されます。胸の上部に位置するため、特に「咳嗽や胸の張りが上焦に偏るタイプ」に適しています。
- 咳嗽・喘息:周栄(SP20)+天突(CV22)+肺兪(BL13)。
- 胸痛・胸のつかえ:周栄(SP20)+膻中(CV17)+内関(PC6)。
- しゃっくり・嘔吐:周栄(SP20)+中脘(CV12)+足三里(ST36)。
- 乳汁分泌不足:周栄(SP20)+天谿(SP18)+少沢(SI1)。
胸部の脾経穴は「胸部の気滞や呼吸器症状」に有効とされ、周栄はその中でも上部に位置するため、咳嗽や喘息への応用でよく取り入れられるツボです。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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