周栄まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:周栄(しゅうえい)
  • 経穴:足の太陰脾経(SP20)
  • 英名:Zhōuróng (SP20)

取穴(位置・取り方)

  • 前胸部、第2肋間、前正中線(任脈)から外方6寸に取る。
  • 乳中(ST17))の外側・やや上方、胸郷(SP19)のさらに1肋間上に位置。
  • 第2肋間を触知し、肋間の陥凹を確認して取穴する。

解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋層:大胸筋。
  • 神経:第2肋間神経外側皮枝。
  • 血管:肋間動脈・静脈の枝。
  • 深部:胸膜腔 → 深刺は気胸のリスクがあるため厳禁。

東洋医学的機能

  • 理気寛胸:胸中の気滞を解消し、胸のつかえを和らげる。
  • 和胃降逆:胃気の上逆を調整し、嘔吐やしゃっくりに用いる。
  • 止咳平喘:肺気を調整し、咳嗽・喘息を鎮める。
  • 通乳:乳房の張りや乳汁分泌不足の補助療法に応用。

臨床応用(主な適応)

  • 胸部疾患:胸痛、胸のつかえ、息苦しさ。
  • 呼吸器疾患:咳嗽、喘息、呼吸困難。
  • 消化器疾患:しゃっくり、嘔吐、胃の膨満感。
  • 乳房疾患:乳汁分泌不足、乳房の緊張感。

刺鍼法(安全重視)

  • 針具:0.20–0.25mm、長さ15–30mm。
  • 刺入方向と深さ:外斜刺で0.3–0.5寸。直刺・深刺は禁止(気胸の危険)。
  • 灸法:温灸や知熱灸を適応。慢性の咳や冷えを伴う症状に用いられる。

禁忌・注意

  • 深刺・直刺は禁忌(気胸リスク)。
  • 炎症性乳房疾患の急性期には避ける。

臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

周栄(SP20)は、胸部疾患や呼吸器症状のほか、乳房疾患や消化器の逆気症状にも応用されます。胸の上部に位置するため、特に「咳嗽や胸の張りが上焦に偏るタイプ」に適しています。

胸部の脾経穴は「胸部の気滞や呼吸器症状」に有効とされ、周栄はその中でも上部に位置するため、咳嗽や喘息への応用でよく取り入れられるツボです。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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