名称
- 和名:内迎香(ないげいこう)
- 経穴:経外奇穴(顔面部)
- 英名:Neiyingxiang (EX-HN8)
取穴(位置・取り方)
- 鼻翼の内側、鼻唇溝の入口に近い部位。
- 迎香(LI20)のすぐ内側、小鼻縁の近傍。
- 鼻翼を軽く拡げて、鼻腔縁近くに圧痛点を探すと見つかりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・粘膜境界部、皮下組織。
- 筋肉:鼻骨筋、上唇挙筋の一部。
- 神経:上頜神経の鼻背枝・上唇神経の枝。
- 血管:上唇動脈の枝、鼻翼動脈分枝。
東洋医学的作用(要点)
- 通竅止痛: 鼻腔・鼻翼周辺の経絡を通じ、鼻づまりや顔面痛を緩和する。
- 清熱散邪: 鼻部の熱・腫脹・炎症を抑える。
- 利鼻通竅: 鼻通を良くし、嗅覚・呼吸を助ける。
主な適応
- 鼻閉・鼻炎・副鼻腔炎。
- 鼻出血。
- 顔面部腫脹・顔面痛。
- 嗅覚低下。
- 鼻部の熱感、痛み。
古典的記載・由来
- 奇穴として後世の鍼灸書に登場し、迎香近傍の鼻トラブル用穴として確立。
- その名の通り「鼻を迎える香る場所」に位置し、鼻部の気を通す点とされる。
刺鍼法・施灸法
- 刺鍼: 浅刺 0.2〜0.4寸程度。鼻翼に向けてやや斜めに刺す。
- 灸法: 小艾を用いた温灸または知熱灸が適用される。
- 注意: 粘膜に近いため、感染予防と出血には十分配慮する。深刺・強刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 内迎香(EX-HN8)は、特に鼻部・副鼻腔の症状に対して傍らに取る補助穴として有効です。 迎香(LI20)と連携させたり、鼻の通りを良くする他穴と組み合わせたりして使うことが多いです。
- ① 鼻閉・鼻炎・副鼻腔炎:内迎香(EX-HN8)+迎香(LI20)+印堂(EX-HN3)+上星(GV23)→ 鼻通を開き、鼻づまり・炎症・鼻水を改善。
- ② 鼻出血:内迎香(EX-HN8)+迎香(LI20)+大椎(GV14)+合谷(LI4)→ 通竅清熱を促進し、止血を補助する。
- ③ 嗅覚低下:内迎香(EX-HN8)+鼻通(Bl2 / BL1 等)+内関(PC6)+太衝(LR3)→ 鼻腔・神経経路を開拓し、嗅覚改善を図る。
- ④ 顔面部の腫脹・痛み:内迎香(EX-HN8)+地倉(ST4)+下関(ST7)+頬車(ST6)→ 顔面の経絡を通し、腫脹・痛みを軽減。
- 内迎香は「鼻の内縁を迎える経外穴」として、迎香と補助関係にある穴です。 鼻症状においては、局所刺激をより丁寧に加える補助的選穴として非常に有用です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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