臨床テーマまとめ（不妊・頻尿・冷え：任脈下腹部三穴の使い分け）

臨床テーマまとめ：不妊・頻尿・冷えに効く任脈下腹部三穴

任脈の下腹部にある気海（CV6）・関元（CV4）・中極（CV3）は、婦人科・泌尿器疾患から全身の冷え・虚弱症状まで幅広く使える要穴です。ここでは「不妊・頻尿・冷え」の3つのテーマに分けて、臨床での活用法をまとめます。

🔹 不妊症と婦人科疾患

不妊・月経不順・更年期障害など、女性の生殖機能に深く関わるのが 関元（CV4）。
腎を補い、生殖能力を高める「婦人科の要穴」です。

• 基本穴：関元（CV4）＋三陰交（SP6）＋太谿（KI3）
• 補助穴：気海（CV6）で気を補い、百会（GV20）で全身の調整
• 施術：鍼は軽補法、灸は温灸や棒灸で温めるのが効果的

🔹 頻尿・泌尿器疾患

排尿困難や頻尿、膀胱炎など泌尿器系に特効があるのが 中極（CV3）。
膀胱の募穴であり、尿トラブルの第一選択穴です。

• 基本穴：中極（CV3）＋腎兪（BL23）＋陰陵泉（SP9）
• 補助穴：関元（CV4）を加えると虚証タイプに有効
• 施術：冷えが強ければ灸を中心に、炎症傾向なら軽い鍼刺激

🔹 冷え・虚弱体質

全身の冷え、疲労倦怠、免疫力低下などには 気海（CV6） が中心。
「元気の海」と呼ばれ、補気・強壮の代表穴です。

• 基本穴：気海（CV6）＋足三里（ST36）＋百会（GV20）
• 補助穴：関元（CV4）を加えると婦人科系の冷えにも効果的
• 施術：棒灸・台座灸で温めるのが最も有効

まとめ

• 不妊症・婦人科系：関元（CV4）が中心
• 泌尿器系トラブル：中極（CV3）が中心
• 全身の冷え・虚弱：気海（CV6）が中心

三穴は近接していますが、それぞれ臨床的な役割が異なります。症状に応じて使い分けたり、組み合わせることで効果を高めることができます。