名称
- 和名:居髎(きょりょう)
- 経穴:足の少陽胆経(GB29)
- 英名:Juliao (GB29)
- 別名:環跳前穴とも呼ばれる。
- 由来:「居」は留まる意、「髎」は骨の隙間を指す。腸骨前上棘と股関節外縁の間に位置し、気血が居留する場所を意味する。
取穴(位置・取り方)
- 股関節部、上前腸骨棘と大転子の最上部を結ぶ線の外1/3に取る。
- 環跳(GB30)のやや前上方に位置する。
- 股関節の動きを確認しながら圧痛を指標に探すと取りやすい。
解剖(近接構造)
- 皮膚・皮下組織。
- 筋肉:大殿筋、縫工筋の付近。
- 神経:大腿外側皮神経、上殿神経の枝。
- 血管:外側大腿回旋動脈分枝。
東洋医学的機能
- 舒筋活絡:筋肉・経絡の気血を巡らせ、関節や筋肉の働きを改善する。
- 理気止痛:股関節や下肢の痛みを和らげる。
- 調経利腰腿:腰・下肢の経絡を通じて運動障害に対応する。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:股関節部の痛み、脚の痺れに用いると記載。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:脚気、下肢の麻痺・萎縮、腰痛に応用。
- 『鍼灸大成』:腰脚疼痛、環跳部の冷えや拘攣に効果ありとする。
- 『類経図翼』:脚弱、脚気、坐骨神経痛様症状に対して用いられると記載。
刺鍼法(参考・古典的記載)
- 刺入方向:直刺またはやや斜刺。
- 刺入深度:1.0〜2.0寸。
- 灸法:腰脚の冷えや関節痛に灸が用いられる。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 坐骨神経の走行に注意し、深刺時は神経刺激を避ける。
- 血管損傷に配慮する。
臨床のコツ・組み合わせ
- 股関節痛・変形性股関節症:環跳(GB30)、陽陵泉(GB34)、足三里(ST36)と組み合わせる。
- 坐骨神経痛・下肢痛:承扶(BL36)、殷門(BL37)、委中(BL40)などと配穴。
- 脚気・下肢筋力低下:足三里(ST36)、三陰交(SP6)と合わせ、補益作用を強める。
- 腰痛・腰下肢の冷え:腎兪(BL23)、命門(GV4)、次髎(BL32)と組み合わせる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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