名称
- 和名:腹通谷(ふくつうこく)
- 経穴:足の少陰腎経(KI20)
- 英名:Futonggu (KI20)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:第8〜9肋間神経の皮枝・筋枝。
- 血管:上腹壁動脈・静脈。
- 深部:腹膜、その下に小腸や胃が近接。
東洋医学的作用(要点)
- 調中和胃:胃気の不和を改善し、消化機能を調整する。
- 理気止痛:胃脘部や腹部の張り・痛みに応用される。
- 補腎益気:腎経に属するため、腎気を補い消化・生殖機能の安定にも役立つとされる。
主な適応
- 胃痛、胃もたれ、嘔吐、食欲不振。
- 下痢や便秘、腹部膨満感。
- 消化不良による全身倦怠感。
- 婦人科系疾患(月経不調、生理痛)。
- ストレス性胃腸障害。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- 灸法:温灸・知熱灸が有効。特に冷えを伴う胃腸症状や婦人科疾患に応用。
- 注意点:腹膜や消化管が近いため、深刺には十分注意すること。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 腹通谷(KI20)は腎経の腹部ラインにあり、胃腸機能の調整に広く応用されます。
- 胃痛・胃もたれ:中脘(CV12)、梁門(ST21)、足三里(ST36)と組み合わせると効果的。
- 下痢・便秘:天枢(ST25)、大巨(ST27)、陰都(KI19)と併用して腸機能を整える。
- 婦人科症状:関元(CV4)、気海(CV6)、三陰交(SP6)、帰来(ST29)とあわせ、月経不調や下腹部の冷えに対応。
- ストレス性胃腸障害:内関(PC6)、神門(HT7)と併用し、自律神経を安定させる。
- 石関(KI18)から陰都(KI19)、腹通谷(KI20)と連続して取穴することで、腹部の気機を一連に調整することが可能です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿