名称
- 和名:陰都(いんと)
- 経穴:足の少陰腎経(KI19)
- 英名:Yindu (KI19)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腹直筋。
- 神経:第8肋間神経の皮枝・筋枝。
- 血管:上腹壁動脈・静脈。
- 深部:腹膜、さらに小腸が近接。
東洋医学的作用(要点)
- 調中和胃:胃腸の気機を整え、食欲不振や胃のつかえに作用する。
- 理気止痛:胃脘部の張りや痛みに用いる。
- 補腎健脾:腎気を補いつつ脾胃の働きを助け、虚弱体質や慢性胃腸障害に適応される。
主な適応
- 胃痛、胃脘部膨満、嘔吐、悪心。
- 消化不良、食欲不振。
- 便秘や下痢などの腸疾患。
- 慢性胃腸障害による体力低下。
- 婦人科系(月経不調、生理痛)。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- 灸法:温灸・知熱灸が適応。冷えを伴う胃腸障害や婦人科症状に有効。
- 注意点:腹膜・小腸が近いため、深刺には十分注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 陰都(KI19)は、腎経の腹部ラインに位置し、特に中焦の気機を整える点で応用されます。
- 胃痛・消化不良:中脘(CV12)、足三里(ST36)、梁門(ST21)と併用して胃の機能を調整。
- 腹部膨満・便通異常:天枢(ST25)、大巨(ST27)、石関(KI18)との併用で効果的。
- 婦人科疾患:関元(CV4)、気海(CV6)、三陰交(SP6)、帰来(ST29)などとあわせ、月経不順や生理痛に応用される。
- 虚弱体質:脾兪(BL20)、腎兪(BL23)と合わせて補益の目的で使用するとよい。
- 同じ腎経の石関(KI18)、腹通谷(KI20)と連続して取穴し、気血の流れを通すことで腹部の調整がしやすいのが特徴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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