名称
- 和名:脊中(せきちゅう)
- 経穴:督脈(GV6)
- 英名:Jizhong (GV6)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、第11胸椎棘突起の下方に取る。
- 正中線上にあり、背中のやや下部で、肝・胆の機能と関係が深い。
- 第12肋骨の高さのやや上に相当する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋群。
- 神経:第11胸神経後枝。
- 血管:肋間動脈の枝。
東洋医学的作用(要点)
- 健脊強腰:脊柱を通す督脈を補い、背部・腰部の力を高める。
- 清熱解表:発熱や熱証を鎮める。
- 理気化湿:肝胆経の滞りや湿熱を除く。
主な適応
- 腰背部のこわばり・疼痛。
- 体幹の熱感、潮熱。
- 黄疸、肝胆の不調。
- 脊柱起立筋の緊張や筋力低下。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向: 斜刺または平刺で下方に向ける。
- 刺入深さ: 0.5〜1寸(約1.5〜3cm)。脊髄管に達しないよう注意。
- 灸法: 有効。特に慢性腰背痛や虚熱性疾患に応用。
- 注意点: やせた体格では深刺禁忌。刺入角度を浅く保つ。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 脊中(GV6)は督脈上の「脊の中心」に位置し、背部から腰への気血循環を整える要穴です。 とくに肝胆経の熱や気滞に由来する筋緊張や背部痛に有効です。
- 肝胆の実熱による背部痛: 脊中(GV6)+肝兪(BL18)+胆兪(BL19)+陽陵泉(GB34)
- 腰背部の虚弱: 脊中(GV6)+関元(CV4)+腎兪(BL23)+太谿(KI3)
- 体幹の熱感・発熱:脊中(GV6)+大椎(GV14)+曲池(LI11)
- 背中のこわばりや筋緊張に対しては、軽度の温灸を併用すると効果が高いです。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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