名称
- 和名:懸枢(けんすう)
- 経穴:督脈(GV5)
- 英名:Xuanshu (GV5)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、第1腰椎棘突起の下方に取る。
- 正中線上で、腰部のほぼ中央に位置する。
- 腰椎の可動部(腰の要)にあることから「懸枢」と名づけられた。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:脊柱起立筋群。
- 神経:腰神経後枝。
- 血管:腰動脈の枝。
東洋医学的作用(要点)
- 健腰理気:腰背部の気血を通じさせて腰痛を改善する。
- 補腎強腰:腎気を補い腰部・下肢の虚弱を改善する。
- 清熱調腸:大腸の働きを整え、下痢・泄瀉を改善する。
主な適応
- 腰痛、腰脊部のこわばり。
- 下肢のだるさ、しびれ。
- 下痢、泄瀉。
- 生殖泌尿器系の不調。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:やや斜めに下方または平刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約1.5〜3cm)。脊髄管に向けた深刺は禁忌。
- 灸法:有効。特に冷えや虚証の腰痛、下痢に応用される。
- 注意点:腹部臓器への深刺は避けること。体格により刺入角度を調整。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 懸枢(GV5)は腰痛と消化器系の症状の両方に応用できる特徴的な経穴です。
- 腰痛・下肢のだるさ:懸枢(GV5)+腎兪(BL23)+大腸兪(BL25)+委中(BL40)。
- 下痢・泄瀉:懸枢(GV5)+天枢(ST25)+足三里(ST36)。
- 生殖器疾患:懸枢(GV5)+関元(CV4)+太谿(KI3)。
- 腰部督脈の要穴として、腰背部の力不足や腎虚を伴う腰痛に特に効果的です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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