名称
- 和名:腰兪(ようゆ)
- 経穴:督脈(GV2)
- 英名:Yaoshu (GV2)
取穴(位置・取り方)
- 仙骨部、第2仙椎棘突起の下方に取る。
- 正中線上、仙骨裂孔の上縁付近に位置する。
- 坐骨神経痛や腰部の症状のときによく圧痛が現れる部位。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:仙棘筋・仙骨後面。
- 神経:仙骨神経後枝。
- 血管:仙骨動脈の枝。
東洋医学的作用(要点)
- 強腰健脚:腰部の力を補い、坐骨神経痛や腰痛に応用される。
- 活絡止痛:腰・下肢の疼痛を和らげる。
- 補腎固精:腎の働きを助け、遺精や泌尿生殖器の不調に用いられる。
主な適応
- 腰痛、坐骨神経痛。
- 下肢のしびれ・運動障害。
- 遺精、インポテンツ。
- 排尿障害。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:斜刺または平刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸(約1.5〜3cm)。仙骨管に向けて深刺しないよう注意。
- 灸法:直接灸・知熱灸ともに有効。冷えを伴う腰痛に適応。
- 注意点:仙骨管や馬尾神経に近接するため、深刺は禁忌。灸では熱傷防止に配慮。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 腰兪(GV2)は腰部疾患や生殖器系疾患に幅広く用いられる要穴です。督脈上の経穴であるため、腰背の正中の経絡不調を整える効果が期待されます。
- 腰痛・坐骨神経痛:腰兪(GV2)+腎兪(BL23)+大腸兪(BL25)+委中(BL40)。
- 遺精・インポテンツ:腰兪(GV2))+関元(CV4)+太谿(KI3)。
- 下肢の麻痺やしびれ:腰兪(GV2)+環跳(GB30)+足三里(ST36)。
- 腰椎や仙骨の慢性疾患のときには、灸療法を併用することで冷えや虚証タイプの腰痛に効果的です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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