名称
- 和名:中枢(ちゅうすう)
- 経穴:督脈(GV7)
- 英名:Zhongshu (GV7)
取穴(位置・取り方)
- 背部、第10胸椎棘突起の下方に取る。
- 正中線上、肩甲下角(第7肋骨の高さ)よりやや下に位置する。
- 皮下に脊柱起立筋群を触知できる部位であり、背部中央の要点。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋。
- 神経:第10胸神経後枝。
- 血管:肋間動脈後枝。
東洋医学的作用(要点)
- 健脊調中: 督脈の通行を調え、背部・脊柱を強健にする。
- 疏肝理気: 肝気の滞りを解消し、横隔膜部の気機を通す。
- 和胃安中: 胃腸の働きを整え、内臓の気逆を鎮める。
主な適応
- 背部痛、腰背部のこわばり。
- 胃痛、嘔吐、食欲不振。
- 黄疸、肋間神経痛。
- 慢性胃腸障害、脊椎周囲の筋緊張。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向: やや下方へ斜刺、または平刺。
- 刺入深さ: 0.5〜1寸(約1.5〜3cm)。深刺により脊髄管に達しないよう注意。
- 灸法: 有効。温灸により胃腸機能低下や冷え性の改善が期待される。
- 注意点: やせ型の患者では浅刺にとどめ、深部損傷を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 中枢(GV7)は、督脈の中で横隔膜に対応する位置にあり、 「上は心肺、下は胃腸」をつなぐ気機の要衝とされます。
- ① 胃腸虚弱・食欲不振: 中枢(GV7)+中脘(CV12)+足三里(ST36)+三陰交(SP6)
- ② 肋間神経痛・背部のつっぱり: 中枢(GV7)+肝兪(BL18)+胆兪(BL19)+陽陵泉(GB34)
- ③ 黄疸・脇肋部不快: 中枢(GV7)+脊中(GV6)+胆兪(BL19)+太衝(LR3)
- 胃腸や肝胆の気滞を調える目的で、温灸や低周波鍼通電を中等度刺激で行うと効果的です。 背部兪穴群との併用で、上中焦の気血流通を促進します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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