名称
- 和名:関衝(かんしょう)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE1)、井穴
- 英名:Guanchong (TE1)
取穴(位置・取り方)
- 薬指末節橈側、爪甲の角から0.1寸に取る。
- 薬指橈側爪甲根部の角を目安とし、その外側に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉・腱:浅層に固有筋はほとんどなし。
- 神経:橈側指神経。
- 血管:指背静脈網、橈側指動脈分枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 清熱解表:外感による熱を散じる作用があるとされた。
- 通竅利咽:咽喉を清め、耳目鼻咽の不調に応用された。
- 醒神開竅:気機を通じて意識を清明にする目的で用いられた。
古典的応用例
- 咽喉腫痛:扁桃腺炎や咽頭の腫脹・疼痛に応用された。
- 耳疾患:耳鳴り・耳聾に対して改善を図る目的で用いられた。
- 発熱・頭痛:外感による発熱や頭痛に対し、発汗解表を図る目的で選穴された。
- 意識障害:小児驚風や昏迷時に醒神を図るために用いられた。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:浅刺 0.1〜0.2寸、または点刺出血。
- 古典的記載:特に咽喉腫痛や発熱に対して瀉法として用いられた。
- 灸法:軽度の熱証や耳疾患に施灸が行われたとされる。
※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 刺鍼は非常に浅く行う。深刺は不要。
- 感染防止のため清潔操作を徹底する。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 関衝(TE1)は井穴であり、清熱・醒神・通竅の目的で頻用された。
- 咽喉腫痛:合谷(LI4)、内庭(ST44)と組み合わせて咽痛の改善を図るために用いられた。
- 耳疾患:翳風(TE17)、聴会(GB2)とあわせて応用された。
- 発熱・頭痛:曲池(LI11)、大椎(GV14)と組み合わせて解表清熱を目的にした。
- 意識障害:水溝(GV26)、中衝(PC9)とあわせ醒神を図る目的で用いられた。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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