間使まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:間使(かんし)
  • 経穴:手の厥陰心包経(PC5)、経穴の経金穴
  • 英名:Jianshi (PC5)


取穴(位置・取り方)

  • 前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間で、手関節横紋の上3寸に取る。
  • 掌側中央線上で、手首から肘までを12等分し、そのうち手首から3寸の位置に相当する。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋肉:長掌筋、橈側手根屈筋。
  • 神経:正中神経。
  • 血管:前腕動静脈の分枝。


東洋医学的機能(要点・古典的記載)

  • 寧心安神:心神を鎮め、精神を安定させる作用があるとされる。
  • 和胃降逆:胃気の上逆による悪心・嘔吐の改善を図る目的で用いられた。
  • 化痰開竅:痰濁を散じ、意識の清明を図るとされた。


古典的応用例

  • 心神不安:不眠、健忘、焦躁などに応用された。
  • 胃気上逆:嘔吐、しゃっくり、悪心に対して改善を図るために用いられた。
  • 痰迷心竅:意識障害、癲癇発作に対して開竅を目的として応用された。


刺鍼法(古典的記載・参考)

  • 刺入方法:直刺 0.5〜1寸。
  • 古典的記載:痰を散じ、神志を安んずる目的で刺鍼が行われた。
  • 灸法:必要に応じて施灸されたとされる。

※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。



禁忌・注意(参考)

  • 正中神経が近くを走行するため、強い刺激は避ける。
  • 前腕部での深刺しは周囲組織を損傷する恐れがあるため注意する。


臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)

  • 間使(PC5)は経金穴であり、痰と心神に関わる病症に選穴されやすい。
  • 心神不安内関(PC6)神門(HT7)とあわせ、不眠や焦燥感の改善を図る目的で用いられた。
  • 胃気上逆:嘔吐やしゃっくりには足三里(ST36)中脘(CV12)と組み合わせて応用された。
  • 痰迷心竅:癲癇や昏迷には豊隆(ST40)、水溝(GV26)とあわせて用いられた。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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