名称
- 和名:郄門(げきもん)
- 経穴:手の厥陰心包経(PC4)、郄穴
- 英名:Ximen (PC4)
取穴(位置・取り方)
- 前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間で、手関節横紋の上5寸に取る。
- 掌側中央線上で、手首から肘までを12等分し、そのうち手首からおよそ5寸の位置に相当する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:橈側手根屈筋、長掌筋。
- 神経:正中神経。
- 血管:前腕の動静脈網。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 活血止痛:胸痛や心痛の改善を図る目的で用いられた。
- 清心安神:心神不安を鎮めるために応用されたとされる。
- 涼血止血:吐血・鼻出血など血熱による出血に有効とされた。
古典的応用例
- 心胸痛:郄門(PC4)は内関(PC6)、心兪(BL15)とあわせ、胸部の絞扼感や心痛の改善を図る目的で選穴された。
- 出血症状:吐血・鼻出血に対して涼血の目的で応用された。
- 精神神経症状:煩躁、不眠に対して有効とされ、安神を図るために用いられた。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺 0.5〜1寸。
- 古典的記載:活血止痛や涼血を目的に刺鍼された。
- 灸法:あまり用いられないが、一部の古典には記載がある。
※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代の医療効果を保証するものではありません。施術を希望される場合は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 正中神経が近くを走行するため、強い刺激は避ける。
- 前腕中央部のため、深刺しすぎに注意する。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 郄門(PC4)は心包経の郄穴であり、急性症状(胸痛や出血)に応用されることが多かった。
- 心胸痛:内関(PC6)、心兪(BL15)と併用し、胸中の痛みや動悸の改善を図る目的で用いられた。
- 出血症状:吐血や鼻出血には大陵(PC7)、労宮(PC8)と組み合わせて涼血を図るとされた。
- 精神安定:不眠や煩躁には神門(HT7)、湧泉(KI1)とあわせて応用された。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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