名称
- 和名:労宮(ろうきゅう)
- 経穴:手の厥陰心包経(PC8)、滎穴・火穴
- 英名:Laogong (PC8)
取穴(位置・取り方)
- 手掌中央、第2・第3中手骨の間、中指を軽く曲げて手掌に当てた時に中指尖が触れる位置に取る。
- 手掌のほぼ中央部にあり、手を握ったとき中指の先端が触れる部位を目安とする。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:短母指屈筋腱、虫様筋。
- 神経:正中神経の掌側枝。
- 血管:掌側動脈弓の分枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 清心瀉火:心火・心包の熱を清する目的で用いられた。
- 安神作用:心神不安や不眠に対して有効とされる。
- 清熱解暑:発熱や口渇などに応用されたと記録される。
- 涼血止血:血熱による吐血・鼻出血などに対し用いられたとされる。
古典的応用例
- 精神神経症状:労宮(PC8)は神門(HT7)、湧泉(KI1)と併用し、不眠や煩躁の改善を図る目的で用いられた。
- 発熱・熱証:高熱や煩渇に対して清熱を図るために取穴されたとされる。
- 消化器症状:嘔吐や口臭、口内炎などに有効とされた記録がある。
- 吐血・鼻出血:血熱に関連する出血症状に対して涼血の目的で応用されたとされる。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺 0.3〜0.5寸程度。
- 古典的記載:清熱瀉火・安神を目的に用いられた。
- 灸法:手掌部のため灸はあまり用いられない。
※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代の医療効果を保証するものではありません。施術を希望される場合は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 手掌部は知覚が鋭敏なため、刺激量を加減する必要がある。
- 掌の皮膚は薄いため、深刺は避ける。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 労宮(PC8)は心包経の滎穴・火穴として、心火を清し精神安定を図る目的で用いられた。
- 精神神経症状:神門(HT7)、湧泉(KI1)と組み合わせ、不眠や不安感に応用されたとされる。
- 清熱応用:発熱や口渇には中衝(PC9)とあわせて選穴されることがあった。
- 出血症状:血熱による吐血や鼻出血には涼血の目的で併用された。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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