液門まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:液門(えきもん)
  • 経穴:手の少陽三焦経(TE2)、滎穴
  • 英名:Yemen (TE2)


取穴(位置・取り方)

  • 手の背、第4・第5指の間、みずかき部の後縁、指関節の後方陥凹部に取る。
  • 第4・第5中手指節関節(MP関節)の間を触れ、その後方のくぼみに位置する。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋肉・腱:総指伸筋腱の間隙。
  • 神経:尺骨神経の手背枝。
  • 血管:手背静脈網。


東洋医学的機能(要点・古典的記載)

  • 清熱解表:外感の熱を散じる作用があるとされた。
  • 利耳目:耳鳴り・難聴や目赤腫痛などに応用された。
  • 通経活絡:経絡の気血を通じ、手指の腫脹や疼痛の改善を図る目的で用いられた。


古典的応用例

  • 耳疾患:耳鳴り、耳聾に応用され、有効とされた。
  • 目赤腫痛:充血や炎症に対し、改善を図る目的で用いられた。
  • 咽喉腫痛:喉の腫脹・疼痛に対して選穴された。
  • 手指の腫痛:特に第4・第5指の関節部の腫れや痛みに対して用いられた。


刺鍼法(古典的記載・参考)

  • 刺入方法:直刺 0.2〜0.3寸。
  • 古典的記載:耳疾患や頭部の熱証に対して用いられた。
  • 灸法:軽度の熱証や関節痛に施灸されたとされる。

※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。



禁忌・注意(参考)

  • 皮膚が薄いため、過度な刺激を避ける。
  • 清潔操作を徹底し、感染に注意する。


臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)

  • 液門(TE2)は滎穴であり、主に熱症や耳目咽喉の不調に用いられた。
  • 耳疾患中渚(TE3)、翳風(TE17)と組み合わせ、耳鳴・難聴の改善を図る目的で用いられた。
  • 目赤腫痛合谷(LI4)風池(GB20)とあわせて応用された。
  • 咽喉腫痛関衝(TE1)曲池(LI11)とあわせて改善を図る目的で用いられた。
  • 手指の腫痛中渚(TE3)と組み合わせて第4・第5指の腫脹・疼痛に応用された。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:

コメントを投稿