名称
- 和名:中渚(ちゅうしょ)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE3)、兪穴
- 英名:Zhongzhu (TE3)
取穴(位置・取り方)
- 手の背、第4・第5中手骨の間、みずかきの後方、MP関節の後ろの陥凹部に取る。
- 拳を軽く握り、第4・第5指の間をたどって、関節後方のくぼみを目安とする。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉・腱:総指伸筋腱の間隙。
- 神経:尺骨神経の手背枝、橈骨神経の枝。
- 血管:手背静脈網。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 清熱利耳:耳疾患や側頭部の熱証に応用された。
- 通経活絡:手指・肩腕部の経絡を通じる目的で用いられた。
- 明目利咽:目や咽喉の腫痛を軽減するとされた。
古典的応用例
- 耳疾患:耳鳴り、難聴、中耳の不調に応用され、有効とされた。
- 頭痛・偏頭痛:側頭部やこめかみの頭痛に対して改善を図る目的で用いられた。
- 目赤腫痛:充血や腫れに対し、鎮静を図る目的で選穴された。
- 手指・肩腕痛:関節炎や手背の腫脹、肩腕部の経絡痛に応用された。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺 0.5〜1寸。
- 古典的記載:耳疾患・頭痛に対して刺鍼された。
- 灸法:耳や目の疾患に灸を加えることもあった。
※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 皮下に血管網があるため、刺鍼時は出血に注意する。
- 過度な刺激は腫脹や疼痛を悪化させる恐れがあるため控える。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 中渚(TE3)は兪穴であり、耳疾患や側頭部の病症に多く応用された。
- 耳疾患:翳風(TE17)、聴会(GB2)と組み合わせ、耳鳴や難聴の改善を図る目的で用いられた。
- 頭痛・偏頭痛:風池(GB20)、合谷(LI4)と併用し、側頭部痛の調整を図った。
- 目赤腫痛:曲池(LI11)、外関(TE5)とあわせて応用された。
- 手指・肩腕痛:肩髃(LI15)、合谷(LI4)とあわせて運動器疾患の補助として応用された。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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