厲兌まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:厲兌(れいだ)
  • 経穴:足の陽明胃経(ST45)、井穴
  • 英名:Lidui (ST45)


取穴(位置・取り方)

  • 足第2趾、爪甲の外側角を去ること0.1寸(爪甲の外側縁と基部の交わる角に取る)。
  • 足の胃経の井穴にあたり、末端部で気を開く要穴。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋肉:ほとんどなし、末節骨基部付近。
  • 神経・血管:足背動脈の細枝、浅腓骨神経の枝。


東洋医学的機能(要点)

  • 清熱鎮静:胃熱・火邪を鎮め、熱病や不眠に用いる。
  • 醒神開竅:神志を安定させ、不眠・多夢・精神不安に応用。
  • 通絡止痛:頭痛や顔面の経絡痛に効果を持つ。


臨床応用(頭痛・不眠・歯痛・精神神経症状など)

  • 頭痛や偏頭痛には、厲兌(ST45)を内庭(ST44)合谷(LI4)と組み合わせ、胃火や風熱を鎮めて鎮痛効果を高めます。
  • 不眠・多夢・精神不安には、厲兌(ST45)を神門(HT7)三陰交(SP6)と併用し、心神を安定させます。
  • 歯痛や歯肉炎には、厲兌(ST45)を下関(ST7)、頬車(ST6)と合わせ、局所の炎症と痛みを軽減します。
  • 高熱・熱病の初期には、厲兌(ST45)を商陽(LI1)少商(LU11)と組み合わせ、瀉法で熱邪を解表します。


刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方向と深さ:0.1寸程度、皮下浅刺または点刺。
  • 瀉血:熱証(頭痛・歯痛・高熱)では、三稜鍼による少量の瀉血が有効。
  • 灸法:虚証や冷えを伴う頭痛・不眠には、知熱灸・温灸が適応。


禁忌・注意

  • 過度の瀉血は体力低下や立ちくらみを引き起こすため注意。
  • 糖尿病や末梢循環障害のある患者では感染・潰瘍に注意。
  • 刺激量は少なく、急性症状では即効性を期待して短時間使用する。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 頭痛や片頭痛には、厲兌(ST45)を内庭(ST44)合谷(LI4)と組み合わせると効果的です。
  • 不眠や多夢には、厲兌(ST45)を神門(HT7)三陰交(SP6)と併用して心神を安定させます。
  • 歯痛や歯肉炎には、厲兌(ST45)を下関(ST7)、頬車(ST6)と合わせて用い、疼痛緩和を図ります。
  • 熱病や高熱には、厲兌(ST45)を商陽(LI1)少商(LU11)と併用し、熱邪を清する目的で使います。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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