名称
- 和名:温溜(おんる)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI7)、郄穴
- 英名:Wenliu (LI7)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋。
- 神経・血管:橈骨神経浅枝、橈骨動脈の枝が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱解毒:大腸経の実熱を清し、熱性疾患や炎症を抑える。
- 通絡止痛:経絡の気血を疏通させ、疼痛を軽減。
- 急性症状の改善:郄穴として急性疾患に応用される。
臨床応用(頭顔面痛・咽喉炎・歯痛・消化器症状など)
- 頭痛や偏頭痛には、温溜(LI7)を合谷(LI4)、太陽(EX-HN5)と組み合わせ、頭部の気血を調整して鎮痛効果を高めます。
- 咽喉炎や扁桃炎には、温溜(LI7)を少商(LU11)、魚際(LU10)と組み合わせ、炎症の鎮静を促します。
- 歯痛や歯肉炎には、温溜(LI7)を陽谿(LI5)、大迎(ST5)とあわせ、局所の痛みを緩和します。
- 消化器症状(腹痛・下痢)には、温溜(LI7)を天枢(ST25)、足三里(ST36)と組み合わせ、脾胃の機能を整えます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方向と深さ:直刺で0.5–1寸(約12–25mm)。
- 補瀉の使い分け:熱証には瀉法、慢性虚証の腹痛には補法。
- 灸法:腹痛や下痢など虚寒証に有効。
禁忌・注意
- 刺鍼時には橈骨神経や血管を損傷しないように配慮する。
- 炎症や感染の強い部位には強刺激を避ける。
- 妊娠初期には安易に使用しない。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 頭痛や偏頭痛には、温溜(LI7)を合谷(LI4)、太陽(EX-HN5)と併用し、清熱・鎮痛を強めます。
- 咽喉炎には、温溜(LI7)を少商(LU11)、魚際(LU10)と組み合わせると炎症の鎮静に有効です。
- 歯痛には、温溜(LI7)を陽谿(LI5)、大迎(ST5)と合わせ、経絡を疏通させて痛みを軽減します。
- 消化器症状(腹痛・下痢)には、温溜(LI7)を天枢(ST25)、足三里(ST36)と併用し、脾胃の調和を図ります。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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