名称
- 和名：陽谿（ようけい）
- 経穴：手の陽明大腸経（LI5）、経火穴
- 英名：Yangxi (LI5)
取穴（位置・取り方）
- 手関節背側、橈骨茎状突起と長母指伸筋腱の間の陥凹部に取る。
- 手関節を背屈すると腱が浮き上がり、橈骨茎状突起との間に明確な陥凹ができる。
解剖（近接構造）
- 表層：皮膚・皮下組織。
- 筋肉・腱：長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間。
- 神経・血管：橈骨動脈、橈骨神経浅枝が近接。
東洋医学的機能（要点）
- 清熱瀉火：大腸経の実熱を鎮め、歯痛・咽喉炎・顔面部の熱症状に。
- 通経活絡：手関節や指の痛み・麻痺に有効。
- 明目作用：目の充血、眼痛、視力障害に応用。
臨床応用（歯痛・咽喉炎・関節痛・眼疾患など）
- 歯痛や歯肉炎には、陽谿（LI5）を合谷（LI4）、曲池（LI11）と組み合わせ、大腸経の熱を鎮めて鎮痛効果を高めます。
- 咽喉炎や扁桃炎には、陽谿（LI5）を少商（LU11）、魚際（LU10）と併用し、咽頭部の熱や炎症を改善します。
- 手関節痛や腱鞘炎には、陽谿（LI5）を合谷（LI4）、偏歴（LI6）と組み合わせ、手首の動きと血流を改善します。
- 眼の充血や視力低下には、陽谿（LI5）を攅竹（BL2）、太陽（EX-HN5）とあわせ、局所循環を促進して症状を和らげます。
刺鍼法（安全重視）
- 刺入方向と深さ：直刺または斜刺で0.3–0.5寸（約7–12mm）。
- 瀉法：実熱症状（歯痛・咽喉炎）では瀉法を中心に行う。
- 灸法：温灸は関節痛や慢性炎症に適応。
禁忌・注意
- 橈骨動脈が近いため、深刺は避ける。
- 強い炎症の急性期には灸は控える。
- 虚証では過度な瀉法を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 歯痛には、陽谿（LI5）を合谷（LI4）、曲池（LI11）と組み合わせて用いると即効性が期待できます。
- 咽喉炎や扁桃炎には、陽谿（LI5）を少商（LU11）、魚際（LU10）と組み合わせると炎症の鎮静効果が高まります。
- 手関節痛や腱鞘炎には、陽谿（LI5）を合谷（LI4）、偏歴（LI6）とあわせると局所の循環改善に有効です。
- 眼の充血や眼精疲労には、陽谿（LI5）を攅竹（BL2）、太陽（EX-HN5）と組み合わせ、目の血流を促進します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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