偏歴まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:偏歴(へんれき)
  • 経穴:手の陽明大腸経(LI6)、絡穴
  • 英名:Pianli (LI6)


取穴(位置・取り方)

  • 前腕背側、陽谿(LI5)曲池(LI11)を結ぶ線上、手関節背横紋の上3寸に取る。
  • 前腕を回外し、橈骨の外側縁を触れて取穴する。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋肉:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋の間。
  • 神経・血管:橈骨神経浅枝、橈骨動脈の枝が分布。


東洋医学的機能(要点)

  • 疏風清熱:大腸経の風熱を散じ、頭顔面の熱や腫れを改善。
  • 通絡利水:体内の水分代謝を促進し、浮腫やむくみに効果。
  • 清利咽喉:喉の腫れや痛みを改善。


臨床応用(浮腫・咽喉炎・歯痛・耳疾患など)

  • 顔や手足のむくみには、偏歴(LI6)を曲池(LI11)足三里(ST36)と組み合わせ、利水作用を高めます。
  • 咽喉炎や扁桃炎には、偏歴(LI6)を少商(LU11)魚際(LU10)と組み合わせ、炎症の鎮静と咽頭部の通利を図ります。
  • 歯痛や歯肉炎には、偏歴(LI6)を陽谿(LI5)合谷(LI4)と組み合わせ、鎮痛効果を高めます。
  • 耳鳴りや難聴には、偏歴(LI6)を聴宮(SI19)、翳風(TE17)と組み合わせ、耳部の循環を改善します。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方向と深さ:直刺で0.5–0.8寸(約12–20mm)。
  • 補瀉の使い分け:実熱症状には瀉法、むくみ・虚証には補法を行う。
  • 灸法:冷えや水分代謝の低下に有効。


禁忌・注意

  • 刺鍼時には橈骨神経浅枝や血管を損傷しないように注意。
  • 急性炎症の強い部位には強刺激を避ける。
  • 妊娠中は過度の瀉法を控える。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 浮腫には、偏歴(LI6)を曲池(LI11)足三里(ST36)とあわせ、全身の水分代謝を促進します。
  • 咽喉炎には、偏歴(LI6)を少商(LU11)魚際(LU10)と併用し、咽喉部の炎症を和らげます。
  • 歯痛には、偏歴(LI6)を合谷(LI4)陽谿(LI5)と組み合わせると鎮痛効果が高まります。
  • 耳鳴りや難聴には、偏歴(LI6)を聴宮(SI19)、翳風(TE17)と組み合わせ、耳周囲の循環を改善します。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:

コメントを投稿