名称
- 和名:足臨泣(あしりんきゅう)
- 経穴:足の少陽胆経(GB41)
- 英名:Zulinqi (GB41)
取穴(位置・取り方)
- 足背、第4中足趾節関節の後方、外側に取る。
- 第4趾と第5趾の間をたどり、第4中足骨の基部近くに陥凹を触れると分かりやすい。
- 八脈交会穴で「帯脈」と通じることでも有名。

解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:短趾伸筋腱・小趾外転筋の付近。
- 神経・血管:足背動脈の分枝、外側足背皮神経が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 疏肝理気:肝気鬱結による胸脇痛・乳房脹痛に有効。
- 調経作用:月経不順、月経痛、更年期障害など婦人科症状に多用。
- 清頭目:偏頭痛、目の充血・めまい・耳鳴りに応用。
- 帯脈調整:帯脈の八脈交会穴として、婦人科系や下腹部症状に幅広く対応。
臨床応用(頭痛・婦人科疾患など)
- 偏頭痛:足臨泣(GB41)と風池(GB20)、合谷(LI4)を組み合わせて、頭部の気血を巡らせ痛みを緩和する。
- 乳房の張り・乳腺炎:足臨泣(GB41)と膻中(CV17)を併用して、気滞を解消し乳房の鬱熱を散らす。
- 月経不順・月経痛:足臨泣(GB41)と三陰交(SP6)、関元(CV4)を合わせて、経脈を調整し下腹部の気血を和える。
- めまい・耳鳴り:足臨泣(GB41)と太谿(KI3)、聴宮(SI19)を組み合わせ、肝腎の不足を補い耳目の清竅を通じる。
- 帯下・下腹部の不快感:足臨泣(GB41)と次髎(BL32)、大赫(KI12)を併用し、帯脈を調整して婦人科系の異常を改善する。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 直刺:0.3–0.5寸(約5–10 mm)。
- 軽度の斜刺でも可。神経や血管の走行に注意。
- 保持時間:10–15分。婦人科系疾患では長めに置鍼することもある。
- 灸法:知熱灸や温灸を併用し、婦人科系や冷えを伴う症状に有効。
禁忌・注意
- 刺鍼が深すぎると神経や血管を刺激する可能性があるため注意。
- 妊娠初期は強刺激を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 偏頭痛:足臨泣(GB41)+風池(GB20)+合谷(LI4)。
- 婦人科疾患:足臨泣(GB41)+三陰交(SP6)+関元(CV4)。
- 乳房トラブル:足臨泣(GB41)+膻中(CV17)。
- めまい・耳鳴り:足臨泣(GB41)+太谿(KI3)+聴宮(SI19)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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