名称
- 和名:公孫(こうそん)
- 経穴:足の太陰脾経(SP4)
- 英名:Gongsun (SP4)
取穴(位置・取り方)
- 足内側、第1中足骨底の前下方の陥凹部に取る。
- 舟状骨粗面と第1中足骨底の間を触れると分かりやすい。
- 八脈交会穴として「衝脈」と通じる重要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:母趾内転筋・短母趾屈筋の起始部付近。
- 神経・血管:足底内側動脈・静脈、足底内側神経が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 健脾和胃:消化器症状(胃痛、嘔吐、下痢、腹満)に用いる。
- 理気活血:瘀血・気滞による腹痛や婦人科疾患に応用。
- 衝脈を調整:心胸部の不快感、消化器・婦人科・循環器疾患に広く対応。
- 安神作用:精神不安、不眠、抑うつにも応用可能。
臨床応用(消化器・婦人科疾患など)
- 消化器疾患:公孫(SP4)+足三里(ST36)で胃腸虚弱、腹満、下痢に。
- 胃痛・嘔吐:公孫(SP4)+内関(PC6)で心胸部のつかえ、胃逆。
- 婦人科疾患:公孫(SP4)+関元(CV4)+三陰交(SP6)で月経痛、不妊症に。
- 精神神経症状:公孫(SP4)+百会(GV20)で不眠や不安に。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 直刺またはやや斜刺で0.5–1寸(約10–20mm)。
- 深刺で足底神経や血管への過刺激を避ける。
- 保持時間:10–20分程度。慢性胃腸症状や婦人科疾患では長めに置鍼。
- 灸法:温灸や知熱灸で胃痛や冷えを伴う婦人科疾患に有効。
禁忌・注意
- 深刺は神経・血管へのリスクがあるため注意。
- 急性胃炎・高熱時の過度な刺激は避ける。
- 妊娠初期の強刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 胃腸虚弱:公孫(SP4)+足三里(ST36)。
- 胃痛・嘔吐:公孫(SP4)+内関(PC6)。
- 月経痛:公孫(SP4)+三陰交(SP6)+関元(CV4)。
- 不眠・不安:公孫(SP4)+百会(GV20)+神門(HT7)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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