京門まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:京門(けいもん)
  • 経穴:足の少陽胆経(GB25)、腎の募穴
  • 英名:Jingmen (GB25)


取穴(位置・取り方)

  • 側腹部、第12肋骨端の下縁に取る。
  • 第12肋骨は最下肋骨で短いため、腰背部から側腹部にかけて触れると分かりやすい。
  • 腎の募穴として泌尿器系・腰痛に広く応用される。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋層:外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋。
  • 神経・血管:肋間神経・腰神経枝。
  • 深部臓器:腎臓(特に右側)、大腸(結腸)が近接するため、深刺は厳禁。


東洋医学的機能(要点)

  • 補腎益気:腎気を強化し、腰痛・倦怠感に。
  • 調水作用:浮腫や小便不利を改善。
  • 止痛:腰脇部の痛みや疝気に応用。


臨床応用(泌尿器疾患・腰痛など)

  • 泌尿器疾患(頻尿・排尿困難・浮腫)には、京門(GB25)を腎兪(BL23)関元(CV4)と組み合わせ、腎気を補って排尿機能を整えます。
  • 腰痛や腰脇部の重だるさには、京門(GB25)を大腸兪(BL25)志室(BL52)とあわせ、腎虚を背景とする慢性腰痛に効果を高めます。
  • 消化器系の症状(腹満・下痢)では、京門(GB25)を天枢(ST25)中脘(CV12)と併用し、脾腎の協調を図ります。
  • 婦人科疾患(不妊症・月経不順)では、京門(GB25)を三陰交(SP6)太谿(KI3)と組み合わせ、腎精を補い、生殖機能を調整します。



刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.18–0.22mm、長さ30–40mm。
  • 刺入方向と深さ
    • 肋骨下縁に沿って斜刺、0.5–1.0寸程度。
    • 深刺は腎臓損傷の危険があるため、必ず皮下斜刺。
  • 保持時間:10–15分。慢性腰痛では長めの置鍼が有効。
  • 灸法:冷えを伴う腎虚や腰痛に知熱灸・温灸を併用すると良い。


禁忌・注意

  • 深刺により腎臓を損傷する恐れがあるため、必ず斜刺で浅めに取穴。
  • 特に痩せ型体型では腎臓が浅く位置するため慎重に施術。
  • 急性の強い腹痛や血尿を伴う症例は、まず西洋医学的な診断を優先する。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 腎虚を背景とした慢性腰痛では、京門(GB25)に腎兪(BL23)志室(BL52)を組み合わせ、腎気を補いながら腰部を安定させます。
  • 排尿困難や頻尿には、京門(GB25)を関元(CV4)太谿(KI3)と組み合わせ、腎の募穴として泌尿器機能を調整します。
  • 脾腎両虚による腹満や下痢には、京門(GB25)を天枢(ST25)足三里(ST36)とあわせて、消化吸収機能を改善します。
  • 婦人科系では、京門(GB25)を三陰交(SP6)関元(CV4)と組み合わせ、腎気を補って月経不順や不妊症の改善を図ります。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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