名称
- 和名:合陽(ごうよう)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL55)
- 英名:Heyang (BL55)
取穴(位置・取り方)
- 膝窩横紋中央と承山(BL57)の中点。
- 腓腹筋の内側頭と外側頭の間にある陥凹部に取る。
- 覚え方:ふくらはぎの中心線を膝からアキレス腱まで結び、その真ん中付近。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腓腹筋(内側頭・外側頭)の間。
- 神経:脛骨神経が深層を走行(過剰刺激は放散痛やしびれに注意)。
- 血管:後脛骨動静脈が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 下肢の疼痛緩和:特に坐骨神経痛や下腿後面のだるさ・痛みに有効。
- 経絡疏通:膀胱経の気血を流すことで、腰下肢の循環を改善。
- 痔疾患:古典では痔の治療点としても知られる。
臨床応用(例)
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.18–0.22mm、長さ40–60mm。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺で0.8–1.2寸(約20–30mm)。
- やせ型はやや浅め、筋肉量が多い場合はやや深め。
- 操作:響きを下腿や足裏に感じる場合あり。坐骨神経痛ではやや強めに刺激して鎮痛効果を狙う。
- 保持時間:10–20分。
禁忌・注意
- 脛骨神経や血管に近いため、深刺しや強刺激で放散痛・出血のリスクあり。
- 強い痺れや電撃痛が出た場合は直ちに抜鍼。
- 妊婦への強刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 坐骨神経痛:合陽(BL55)+承山(BL57)+委中(BL40)で下肢後面の経絡を通す。
- 腰痛併発例:合陽(BL55)+腎兪(BL23)+大腸兪(BL25)。
- 痔疾患:合陽(BL55)+長強(GV1)+百会(GV20)。
- 下肢のだるさ:合陽(BL55)+足三里(ST36)+陰陵泉(SP9)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:
コメントを投稿